改修の最終段、排水路を再構築した。元々はトンボ池構築時に、堤からの漏水が食草園を浸さないようにした排水路のリサイクルである。池から直に本流に落としていた水を、15mほどの水路を通し放流する設えになった。少ない水資源を最後まで留めて活用することで生息環境が格段に増える事になるだろう。
漏水より水量が多くなるから堤を更にかさ上げて強化し、流下して排水溜まりまでの流れをスムーズにして終了する。この水を落とすまでは漏水で湿っていた程度だったから、どの程度の生物が生存していたか視認はしなかった。
堤の下は細長い泥水池、泥水地から下流は泥湿地と環境を変えてある。既に今期のトンボなど水辺の生物は再来しないけれど、まだ繁殖行動をしているマユタテアカネのヤゴは住処を得られるだろう。
トンボ池の排水路を設え終わった頃、ジョウビタキとシジュウカラが相次いで飛来した。いつもはおとなしい小鳥達だが、今日は警戒音を出している。
何事かと思ったのだが、餌場の確保だったようだ。排水溜まりを掃除したおり、刈り草を放り込んであったのを引き上げたのだけれど、この中にいた虫を食べに来た様子である。
普段は単独のジョウビタキも二羽飛来して、至近で地上に降りた。脅かさないよう静止して見ていたのだが、一匹は小生の1m先の土を掘り返したところまで採餌に来た。嬉しいといえば嬉しいけれど「もう人間と思われていない」のだろう…。
それは別にしても、胸から腹部の毛色はいつ見ても鮮やかで美しいのだけれど、ケータイは寿命なのか何度撮影しても、鮮やかさの出ないピントで少ない機会を生かせなかった。
トンボ池の水際線、周囲に丸太で護岸を施し終えた。今日はO氏も参加して丸太の埋設を手伝ってくれたから終了したようなものである。泥湿地として設えた部分は、どうしても軟弱地盤になるから踏圧で土が飛び出てしまう。その上、植物の侵出が容易になるから、半分は陸地化していた。
ぬかるむ中で土を掘り丸太を埋設、杭を打ち固定したが、作業後にぬかるんだ泥湿地の部分を眺めると、小さな動くものが沢山見える。体長5~6mm程度のヤゴである。水さえ切れなければ十分に生存・成長できる環境である事が判る。
11月も下旬なのに、ここではまだトンボが2種類飛翔し、繁殖行動をしている。アカネは「マユタテアカネ」で、イトトンボは不明だ。
何だったか、柳田邦夫氏の一文に「この歳になって絵本を楽しむ」と言う記述があったように記憶する。フィールドではおチビちゃん達への読み聞かせを散見するし、小生も仕事やプライベートでやってきたことだ。
読み聞かせをせがむ頃の常で、暗唱していても繰り返しせがむ。今、黄葉の始まったフィールドを眺めていると「これは小生の絵本なのだ」と言う感を深くする。物理的な規模はともかく、飽かずに繰り返し繰り返しの連続である。
時には絵本作家、時には編集者、時には愛読者ととりとめも無いけれど、何年にもわたって「せがんで」いる事には変わりない。なんだか映画「ネバーエンデングストーリー」の主人公の様に思える時もあるが、「二度わらし」となれば当たり前か…。
導水部の改良をした。泥湿地として蛇行させ、あわせて温溜まりの機能も持たせようとしたのだけれど、結果的には踏圧で押し出され水路を狭めるし、流入してくる土砂が送水管の出口に堆積し、水を断ってしまうことも発生した。
今期、干上がってしまった原因になった構造なのである。メダカやヤゴ、種類は不明なオタマジャクシなど、水生生物の全滅を招いてしまったリスクを下げたいためにも改修する必要があった。泥湿地の部分を浅い水域として再構成し、周囲を丸太で護岸、池本体への小水路を廃止して中央の島に水流をぶつける構造にした。
水流を変更した大きな理由は、島に上陸されていた経路を撤去する事と、排水路を対角線上に付け替えるので、水流を二手に回し酸素の供給を等しくしたいためである。中央の島は「人が踏み入って欲しくない植栽」のためであったのだが、あえて上陸を敢行する者がいて渡渉地点は禿げてしまった。その上、手がかりに掴んだヤマハギの枝を折ってしまうし、「元を断つ」をするしかないのである。「思い」はそれぞれだから、噛み合わない事も多い。
小雪も過ぎたというのにマユタテアカネはまだ繁殖行動を見せている。資料に寄れば「比較的薄暗いところを好む」とあったが、見出すのはいつも日あたりの良い場所だ。眉らしきものがあるかどうか確認したくて接写の機会を窺っていた。今日、ようやくその機会があった。カメラの前10cmに降りたのである。
何度か虫を捕まえに飛び立ち降りる、を繰り返してカメラに接近したという訳である。構えて動かない小生もかなりの兵だと、ここは自画自賛で良いだろう。さて「どんな眉か」と心待ちにしてガッカリした。眉と言うより墨のついた豚鼻」なのである。
頭部の写真でも直射光下では判明し難いが、複眼の下、鼻に相当するあたりに黒い斑点が二つ並ぶ。これが眉?、そうなのだそうな。ガッカリしたー。
大量に発生した処理木、「ビビビッ!」と来たのでトンボ池に運搬した。この水辺が知られる様になり来訪者が増えるに従い、堤の喫水線周辺が潰れてきたのである。踏圧ストレスは避けようも無いが、堤の高さが減り、押し出された土が池を浅くする。ここは二人で掘り上げた小さな水辺なのだから、週に二桁の人数がくればひとたまりも無い「一溜まり」なのだ。
水辺の環境としては、土の斜面で維持したいのだけれど、そうも言ってはいられない。処理で発生した丸太材で護岸をした。今日、済んだ範囲は一辺だけだったけれど、堤の低下で越流を起こしかねない部分を済ませたから後はいつでも良いが、トンボ池の全面的改修と泥水池の改修がイメージされてきたので結局は手を出すことになる。貧乏性なのだ。
苦walkは最小単位のまつりびと
太陽の塔も破れぬ障子かな
コウモリは獣か鳥かとまた迷い
握手して文句つけたい腹の色
巡るだけ椅子獲りゲームに椅子は無し
流浪して愚弄が仕事浪士隊