『均じれば齢過ぎたり六十路森の中でも老老支援』
『竹粗朶の山で跳び舞うガキ翁』
『秋の雨降れば小父の背三尺に』
『菱の実の渋さそのまま殻のしわ」
菱の実を頂いた 何十年ぶりのご対面だ
沼で遊んだ夏の日が思い出される
古代 菱の実は美女を形容したとも記憶にあるが
それにつけても 職を離れてはや数年
こんな顔で勤務をしていなかっただろうか
『道普請子等が通ると知りたれば拳握りし僅かに上げて』
『涼やかで身体は楽になりたれど努めて憩うリズム守りつ』
『無残なり民有なりし竹やぶは見るも拒絶し荒れるに負かせ』
このフイールドで活動3年目になった
ようやくトレイルを歩こうとする活動に出会った
まだ十分とは言えない状態だが 両脇も見通しもそれなりに安心できるようになってきた
まだ常時 歩く人たちが居るという状況ではないので
夏場は踏み跡さえ見えなくなるほど 草が生い茂る所も有る
刈らねば人は入らないし 刈っても入らないし 夏はジレンマの季節だ
今日 やっとメインルートの人工林内の整備が一段落した
地下水路穴が見つかったので それを避けてルートを移し
斜面に手摺を付けて ルートを明瞭にした 倒木処理が多くて堪えた
『迷い蟻パン屑落とす鼻の先』
『何時の間に首に登りし山蟻よ』
『この蟻は何たる無頼噛みに噛む』
『今日もまだ何日続く蟻の列』
卵なのか繭なのか 蟻の行列が何日も続いている
狩りか引越しか知らないけれど 天文学数字に思える行列だ
昼夜を問わずやっているのだろうか
『寝入りつつ明日の段取りつらつらと思えば目覚めてトイレに立てり』
『夜半目覚め出かけることも叶わずばせめて忘れじ枕メモ取る』
『朝の五時まだ明けぬ空眺むれば一人二人と散歩人過ぐ』
『陽良くてトレイル整備はかどれば夕食満ちて睡魔の襲う』
今朝は最低気温を観測したそうだ
屋外の仕事は快適で 林床保護も含めて斜面に手摺をつけた
これで三々五々 好き勝手な上り下りを防げれば 植生も回復の期待がある
この地層の特性なのか 林床に水道の空洞が出来易い
従来使っていた部分に穴が見えて 2メートルばかりの丸太を差し込んだら
全部入ってしまった
11月には子供達が入山するとの事なので 急遽ルートを付け替えることにした
径40センチを超える倒木も含め 処理でチェーンソーを用いたが
今は腰が痛い 明日は新ルートの下草を刈る それで一安心だ
『スズメバチ刈り葉の上を飛び交えば刈り手休めてしばし休息』
『スズメバチ周回したり無視したり』
『師走だに女王何処巣に卵』
日中スズメバチの飛行が頻繁で 竹林作業区域に巣穴があった
師走の28日 最低気温になる未明に完全防備で急襲した
専用殺虫剤5缶噴射する
地下坑内より咆哮にも似た羽音が15分ほど続いた
体温が上がらず飛行できないだろう の読みどおり
反撃飛行叶わず 沈静化した
高さ50センチ 径40センチを超える立派な巣だ
幼虫多数 働き蜂48匹回収したが 女王蜂は判別できなかった
それよりも 冬季に産卵・育すう・飛行とは何たる事と
恐れ入った次第
今もって恐ろしい存在だけど この時から感心して眺める自分がいる
『手を引かれホーム歩きし老婦人足元見つつ黙し歩きゆ』
『子の背にはリード付きたるリュックなり去りゆく車両指して追い引く』
『舞岡の谷地に歩を向く家族等の健やか振りを想う後先』
『パークなる かのビッグ等と 異にすれば 連れ出す親の 育み麗し』
『吾吾と出す 赤子の声に 歩を止めつ バギー覗きて 声かける母』
『何事か家族の覗く小川見ゆ赤きザリガニ紅葉のごとく』
『今はまだ家族にあらじ母子と彼我に道聞き芋下げて行き』
『幸薄き母御のように見えれども彼と娘の自然さ微笑し』
近くに昼飯を食べる場所も無かったので コンビニで買った握りを食べていたら
親子4人連れがトイレを使いたいようで 母娘が駅のトイレに向かっていった
一人残った父親が「横浜方面はどっちですか」と尋ねるから
地図を示して教えたが 「家族サービスですか 大変ですね」というと
「まだ家族ではないんです 近いうちにはなると思います」とのことだった
いろいろな事情があったとしても彼と娘二人のかかわりが自然で
そんな時代はとうに過ぎた小生には いささかうらやましかった次第