何を血迷ったか「美味しいはるみなら美味しい御酢が出来るはず」と信仰の世界に踏み込んでしまった。楽しみながら食べようと冷凍していた果実3.5kgを全て捧げたまう事と相成った。冷静に判断すれば冷製ミカンはもう1ヵ月以上は楽しめるはずだったのだ。なんて事だろう「点損降臨」は忘れた頃にやって来る。
日本晴れのこの日、山にもいかずホームセンターへ「ハンドジューサー」を買いに行った。前回、果実からジュース、それで羊羹を作る過程でネットで絞り出したが廃棄量が多くもったいなかった。今回は量が無いから絞り取れるのは一滴でも絞りたかったのである。
ハンドジューサーを使うのは離乳食作り以来の作業で、キッチンは酷い有様になった。自然解凍を待てなくレンジ解凍では微生物の死滅が怖い。結局はシンクに温水を張り密閉袋のまま解凍したのであった。その出来上がり時の廃棄量は約500グラムで果汁ではおおよそ3kgとなる。
発酵を早めるためにイースト菌を加えた。本当のところは「ワイン酵母」を加えたかったけれど「何でも揃いそうなあの店」まで行く時間が惜しい。若いころは400円程のそれを都内まで新幹線で行ったのに。
夕食前までに搾汁を済ませ貯蔵瓶に酵母と共に投入する。夕食を済ます間に発酵が始まり深夜の時点で二層に分かれていた。
下部の液体は清明で色は無かったのが不思議だった。「酵母も自分たちで環境設定をしているはず」と迷ったのだが二層に別れた中身を攪拌する。そしたら濁りが出てしまったが結果的には澱として沈殿するだろうと納得させた。後は糖分測定を続け糖分が無くなれば酢酸菌を感染させねばならない。
そのために清酒1合ほど購入し小鉢で感染させるか、どうしょうか…。まだ時間はあるが清酒を購入して内側が白い器に入れて日陰になる縁台に出した。室内より感染の割合が高くなると読んだのだが、勿論根拠などない。
翌日、24時間経過して溶液の糖度は半減した6%だった。こんなに急速に糖度が下がるとは思ってもいなかったから少々驚きもしたのだが、小生が操作できる範疇では無い。