トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

こけら版「とりこし苦労」11 (テリムクドリ)

2018-09-09 | 旅行記
 林内の湿地にトンボを尋ねて移動中に低草地で採餌している鳥がいた。ムクドリの仲間らしいと見当をつけたものの正しい名前など分かるはずもない。全体で10羽程度の群れだったが散開する事も無くまとまって採餌行動をしていた。

 生家の裏、建物の土壁と板壁の隙間に集団で営巣していたのがムクドリで、土壁に穴をあけ室内に雛鳥が落ちてきた事があった。既に巣立ち間近の個体だったためか警戒心が強くて給餌もできなかった記憶がある。
 しかし当時はムクドリとは思わず「モズ」と認識していたように記憶している。家人も「ムクドリ」と認識していたのかどうか記憶は無い。

 当地でフイールド活動するようになり探鳥に見えるHさんと言葉を交わすようになって、この話をしたところ「それはムクドリで、モズは集団営巣も民家に巣作りもしない」と教えられた。この時になってようやく間違いに気が付いた有様で半世紀も経ってからである。

 それはともかく写真の鳥は「テリムクドリ」と教えていただいたのだが地味な色彩の中にまばゆい星がいっぱいあるような姿だった。「目立たないようにしたお洒落」という印象で、この鳥の集団を見たのは滞在中にこの時だけである。

              

こけら版「とりこし苦労」9 (ミヤコドリ)

2018-09-03 | 旅行記
 海岸の植生を見に行ったおりに出会った水鳥、見慣れない姿に驚きもした。国内の図鑑に掲載されているとは思わなかったから探しもせずに何時も頼るS先生に写真を見てもらったら即座に「ミヤコドリ」と言う。日本でも普通に見られる水鳥なのだそうで、バードウオッチングとは無縁の小生には致し方ない顛末であった。

 海岸の岩場で貝を食べる鳥で、どうりで嘴が大きく丈夫な作りに見える。写真ではそれほど印象深くも見えないのだが実物の嘴の色は強烈だった。ヒッチコックの映画「鳥」に出てくる鳥ではないけれど近くで見ると名前に似つかず怖い感じがあった。それは鮮やかすぎる大きな嘴と真っ赤な眼球のせいでもある。

 ミヤコドリと言う名前は知ってはいたが、それは布地に連続図案化された鳥とばかり思っていたから、今回の確認で小生の思い違いだったことになる。とは言え「ミヤコドリ」という情緒的な雰囲気は全く無くて「知らない方が良かった…」。
 まあ人生、誤認や誤解で平安がある事もあるのだ。

                         

こけら版「とりこし苦労」10 (クロウタドリ)

2018-08-31 | 旅行記
 ムクドリほどの大きさ、真っ黒な羽毛に鮮やかな嘴、そのうえさえずりがイソヒヨドリ風できれいでもあるがうるさい感じの鳥だった。住宅の周囲に普通に現れてカササギやイエスズメと同じように目に付くし耳につく。

 郊外の湖沼地や森林部では見かけるのが減少したから人の生活圏を好んでいるようにも思える。当地でもイソヒヨドリの様に市街地に入り込み、小生宅では玄関屋根の化粧雨樋の隙間に巣作りを続けるカップルも出る始末だから、小鳥の世界と言えど環境適応を果たさねば生存できない状況なのか、他の有害獣に同じく容易に美味しい餌に有り付けるからなのかどうか小生は知らない。

 写真を選ぼうとファイルを覗いたら撮影枚数が極端に少なかった。カラス様な体色もあるし一日中さえずりを聞き姿を見ていては撮影する気も起きなかったかもしれない。同じような状況だったムシクイの一種は葉に紛れ姿が見え難かった故に撮影枚数が増えたのかもしれない。

                      幼鳥ではないかと言われたけれど…

こけら版 「とりこし苦労」8 (パンダカラス)

2018-08-25 | 旅行記
 ヘーッ、パンダカラス、だが第一印象だった。野鳥の本には「西日本には飛来しキジバト程度の大きさ」とあったが、現地の個体は普通の大きさに見えた。だから「コクマルカラス」と図鑑に記載されたアジアの種とは異なるのかどうか、小生は当然ながら知る由もない。

 現地の図鑑から写した学名は[corvus corone cornit]で、コクマルガラス(白色型)は[corvus monedula]となっていたから別種で良いのだろう。日本も南北に長いから当地で全ての種を見られるはずも無し。

 黒いカラスもいたけれど日本産のカラスより体格が良いようにも思った。この種だと思っているのだが飛べないカササギの雛を狙いに来て、親カササギに何時も邪魔されていた。ただ地上の雛鳥の捕食者となる相手には猫もいたから、誰がご賞味したかは知らない。

               

 借りたデジカメからPCに写真を移動させたら全て暗くなって原因が分からず目が白黒してしまった。このカラスの写真は特に暗くて判明し難い。

こけら版 「とりこし苦労」7 (ジッチャン トッチャンと鳴く)

2018-08-23 | 旅行記
 庭にある高いヤナギの枝先で早朝から夕刻まで「良く囀るなあ…」とほとほと感心もし辟易うんざりもした小さな小鳥。これが体格に似合わずエネルギッシュだった。
 聴きなしすれば「ツッピン ツッピン ツッピン」というより「ジッチャン トッチャン バッチャン」と聞こえる。ポプラやヤナギの樹冠部で鳴いている事が多かったので、葉のサイズにしか見えないから動いてくれないと見出しにくい。仰げばそこに居る小鳥だったものの撮影するために一番時間を要した小鳥でもあった。

 撮影し拡大してみれば姿かたちもキュートで、言わば爺様さえも「胸キュン」とさせる風情がある。現地の図鑑で同定できても言語が分からない。学名をノートに写し自宅で検索しても「ラテン語」では役に立たなかった。

 アルバムをS先生に見せて名前を言って頂いたもののメモしなかったから「ムシクイの仲間だったが…」では「ジッチャン バカチャン」と啼く羽目となった。短期記憶がやはり駄目なようで、そう、唄にもある「私馬鹿よね オバカチャンよね・・・」。まあ、汗と共に記憶も流れるのであって、皺に留まるのは垢ばかりのようだ。

          

                    

こけら版 「とりこし苦労」6 (ヨーロッパ家スズメ)

2018-08-18 | 旅行記
 寄宿先の軒先、瓦屋根の隙間でスズメが子育て中だった。家の出入りに気付くと盛んに警戒音を出す。これは異国でも異種でも変わらぬ行動でもある。
 見た目ですぐにスズメと分かったけれど正確な名前までは分からなかった。寄宿先に鳥類図鑑があり、写真対照するまでもなく一致したけれど、現地語の図鑑では読めるはずもなく、ラテン語の正式名称を控えて置いたものの今となってはPCで表示させようとするエネルギーに欠ける。

 名前を確認しないままアルバムをS先生に見ていただいたら、次々と名前が出てくる。それで「ヨーロッパ家スズメ」と判明した。
 周囲の住宅の屋根葺きは陶器瓦がほとんどで、日本の様に住宅も建て込んでいないから野鳥も伸び伸び生活している感じがある。日本では見なかった野鳥20種以上を撮影出来たが3割程度は庭から写す事が出来たのだ。

 小生、愛鳥家でもなく探鳥家でもないど素人であっても容易に撮影出来る環境は「凄い」としか言いようがないものの、ここで我が環境を省みれば「哀調歌」や「短調歌」しか浮かばない…。

            

           

こけら版 「とりこし苦労」5 (崖地の営巣)

2018-08-13 | 旅行記
 滞在中、唯一わざわざ行った名所が写真の瀑布である。瀑布の後ろ側を展望台へ続く道があり、そこを抜けるのが「売り」なようだった。

 確かにすごい水量で滝つぼからの風圧も強い。快晴であったが長く居れば濡れそぼってしまう事、間違いなしなのだ。
 観光客と同様、滝の裏を抜け展望台に立ったが、至近で瀑布を見物するより先に濡れた岩肌の虫取りスミレに目が言ってしまった。写真を何枚か撮り、何かないかと探した眼前に小鳥がいた。エサを咥えているから育雛中なのは一目瞭然、親鳥を追うと岩棚に巣作りしてある。

 給餌する姿は見えるが雛は見えない。瀑布の音で鳴き声も聞こえない。何枚か撮影したのだけれど全てが不明瞭な写真になった。どうも極端な斜め角度で撮影するのでピントが合わないらしい。ピンポイントで撮影しても駄目だった。
 一番撮影したい場面で往々にしてこういうことが多発するのは何時もの事である…。

 日本からの観光客もバスでやってきた。滝を背景に写真を撮り展望台に行って土産物店を物色、トイレを使用して去って行った。所要30分、忙しいだろうに、ホントにご苦労様である。

  ➡   虫を咥えて来た ➡  給餌中、ピントが合わなかった

                瀑布裏巣を見て草みて飛沫浴び

こけら版 「とりこし苦労」 3 (水面の幼鳥)

2018-08-04 | 旅行記
 「トンボ撮り爺はどこらで迷うやら」の合間に通る道すがら見かける鳥も撮影する。バードウオッチングなどはした事はないから蝶の代わりとは言え意思を持ったのは初めてだ。

 トンボ自体は水辺で狙う事になるから、いきおい水鳥も目にする事になるのだが、大型の鳥は珍鳥でも興味は薄い。大小いれば雛鳥に関心が行くのは自然の成り行きでもある。

 母鳥の後に従って行くのは最初の頃で、日増しに前後左右に展開し移動する姿を眺めていた。ところがどうも数が減っていく。湖水の水面では遮るものもない丸見えな事も影響するのだろう。

 それでも葦類の茎がまばらにでも生えている部分では安心できるのかバラバラで採餌行動を見せてくれた。最初の頃は握りこぶしにも満たない大きさでも一週間もすると結構しっかりした体型になるのだなあと独りごちる。
 そこに感じ入っても数を減らしたと言う親子の受難の現実は申し訳ないけれど「減ったか…」と言う程度なのだった。小生が関与など出来ない別世界の出来事、とりわけ、とりこし苦労なぞはしない。

              

                       


                   守られつ諸行無常や雛の数

こけら版 「とりこし苦労…」 2 (幼鳥受難)

2018-07-29 | 旅行記
 滞在先の庭に小鳥ならぬ中鳥が来る。初めて見たのだが「カササギ」で間違いなかった。本邦では天然記念物の扱いであるが普通に出会う鳥であった。

 周囲の木立の中で営巣でもしているのか庭で植生などを眺めていると近くに来て警戒音を出す。日本では電柱の天辺で営巣する事は知っていたから木々の間も覗いていたものの巣らしきものは見つけれなかった。
        見守るも骸となりし幼鳥

 ところがである。庭に出たあるおり、親鳥の声もなくひと回りしていた眼前に1羽いるではないか。尾羽が短いので直ぐに巣立ち後の子カササギと分かったのだが、それよりも左頬の異様さに度肝を抜かれる。傷跡とは思えない円形の物体が付着しているように見える。
 寄生虫なのか悪性腫の様なものなのか判断は出来なかった。弱っているようには見えなかったけれど数日間の観察で飛翔力はないようにみえた。

 隣地との境界の空き地に日本からの侵入種イタドリの繁みがあるのだが、ここをよりどころにしているようだった。そのためか庭に出て植生を見たり小鳥を撮影しようと立ちんぼなどしていると親鳥が煩い。飛翔力は期待できないし、採餌や給餌が可能だとしても狙いに寄っただろうカラスの存在や猫も出没するとの事だったから予想された事態はいくばくも経ず到来したのだった。

 数日後の朝、いつも通り庭に出たら身体の一部だけが残っている。捕食者は不明だけれど弱肉強食・食物連鎖の中に組み込まれ他者の命の糧となったのだけは理解した。何度か姿を見ただけの幼鳥であったけれど幼鳥の受難に想いを馳せた。南無阿弥陀仏…。
                    ➡    


                   親鳥や愛別離苦のど真ん中





こけら版  「とりこし苦労…」 1 プロローグ 

2018-07-22 | 旅行記
 今日も暮れ行く異国の丘に爺は辛かろ寂しかろ…、なんちゃって事は無かったけれど「見たかった蝶がいない!」。事前に「蝶は居ないよ」と聞いていたけれど、これほどだとは思っていなかった。

 虫媒花の大半は蜂、ハエ、などの小虫がになっているようだ。蛾の仲間は体長10mm程度までは視認できたがそれ以上の大きさは全く見ない。もっとも夜に集蛾灯を用いたわけでもないので不正確であるけれど昼間のヒラヒラ系がいなければ夜のヒラヒラ系もいないだろうと思うのが小生の思考回路だ。これで不住は無い、いいえ不自由は無いのである。

 唯一見たのはシロチョウ系の一種だけで、本邦で言えばモンシロチョウの系統よりスジグロシロチョウに近いのかどうか、小生の印象はそんなところだ。
 この種のチョウ、一面花畑状態にもかかわらず飛びまくっていて落ち着かないし複数見た事も無かった。「稀に出現」そんな感じである。
 あの「ニルスの不思議な旅」…でなくて「アリスの不思議の国」だったか「忙しい、忙しい」と突然現れるウサギにそっくりな心証である。

 結局は、チョウを撮りたかったのにチョウはおらず、やむなくチョウに宗旨替えした。にわかカメラマンでも「チョウど良い。それでよかっただダニ!」とお棲み付き三匹、マダニを頂きました。
 結果、首尾はと言うと「全くの素人でも有り余る簡単さの20種超え」ながら邯鄲の夢…。まあ、チョウは見ず、チョウにした、そんなところである。

               

                 チョウおらず丁度良かろうチョウにした

ところ変われば 5 「ダイロウ」

2018-07-14 | 旅行記
 「ダイロウ」では辞書に載っていなかった。郷里では「ダイロウ」で通る。フランス料理のエスカルゴを知る以前から小生はフランス料理を貧しい農村部の片田舎で食していた事になり、水飲み百姓ながら結構な食生活もあったのだと知った。
 研究者によればかなりの種が存在すると記憶にあるけれど、小生が記憶するのは二種類程度で、それが全てと言う理解だ。

 ところが旅行先の庭で、こっちを見てもあっちを見ても「みんな違う!」。これでは「みんなおんなじだから…」の色紙の文句と異なるではないか、と文句の一つも言いたくなるのだが「みんな違ってそれで良い」なんて文面もあったような…。
 しかしながら「和を持って貴しと為す」の村社会の薫陶を受け成長した小生としては、そのような違いや同じを気にする傲慢不遜な傾向は有しない。ただ現実を受け入れ撮ってきたのであった。

 更なるしかしながらは「とても採って喰う」気は起らなかった。食欲が起きるような色彩でも模様でもなかったのだ。フランス料理のシェフと言う者の作ったエスカルゴ料理などは喰った事が無い小生であるからエスカルゴ自体を知らないけれど、食欲の出る外殻の色調なのであろうか。

 少年期に食べたダイロウはフライパンで醤油味、大きいものは囲炉裏の灰に埋め塩を振って食べた記憶がある。どういう訳か父と食べた記憶しかないから、寄生虫がいるとの記憶もあるから隠れて食べたのかもしれない。
 まあ、異国に行き有名観光地や名所旧跡など意に介せず、寄宿先近隣を上を見たり下を見たりと徘徊していたなど、あまり大きな声では言えない。公言すれば眠剤を処方され収容されそうだ。それでは小生が耐老になってしまう。

 イエース!狩る後…。ちっと苦しいか

         

                 


ところ変われば 4 「君の名は団子?」

2018-07-10 | 旅行記
 ところ変われば「ダンゴムシも変わっている」とばかり思っていたけれど、どうもダンゴムシでなくゾウリムシのようにも思えてきた。ゾウリムシなど林内の落ち葉腐植層に普通に生息している種だと思っていても実際は見た事が無いから印象も無いのであった。

 だから現地で鉢裏を覗きナメクジを見つけようとしていた時の出会いに於いて、経験的に「ダンゴムシ」と短絡したのは必ずしも耄碌や認知症のせいでは無く経験値によるもので小生に責任は無いのだ。

 小生的には「ダンゴムシ」と認知していても全く支障は無いはずで、「脚がばか多く平べったいや!」と思ったのは観察が適切だったと断言できる。そのうえ「ここまでバリエーションがあるのか!」との感動体験は高齢者の生きる意欲や精神的健康に必須の要素でもあろう。間違いや誤解に罵詈雑言は要らない。結論を出したと賞賛すべき事柄なのだ。
 だから「ご飯、今食べたでしょっ!」とか「さっき言ったばかりでしょっ!」なんて言ってはならない傾聴が大切である。

 それはともかく、今になって「失敗した!」と思ったのは「丸まったか、丸まらなかったか」を確認しなかった事で、見かけ上の判別が出来なかったのなら、その確認くらいはすべきだったけれど「ダンゴムシ」しか頭に無かった以上、違いなど浮かぶ訳もなしで、そうなると「ダンゴムシかゾウリムシか…それが問題だ!」とハムレットの心境になって、これでは精神衛生上マイナスで眉間に皺が深く刻まれる事になる…が、小生は光り輝きが増すタイプである。

                

ところ変われば 3 「ナメクジ」

2018-07-07 | 旅行記
 「ところ変われば品変わる」の言葉通りナメクジも変わっていた。まるで三種混合ワクチンのように混在しているのであった。
 一番見たかったのは「マダラコウラナメクジ」だったのだけれど、普段は「傘もいらない雨模様」の土地柄なのに四週間に及ぶ快晴続きではナメクジ様もお出かけする気にはならなかったのは、けだし当然の日々だったのである。

 それでも早朝には在来種と侵入種は見る事が出来たものの、マダラコウラナメクジの成熟体は見つけれなかった。「普通に家の周り、プランターに出没しますよ」と家人はいとも普通に言ったのだけれどお天気は味方してくれなかった…、と言ってしまえば嘘になる。この快晴続きで連日、森や湖沼、はてまた湿地帯を彷徨でき退屈しなかったのだ。
 現地で当たり前の気象条件だったら家に閉じこもるしかなく退屈の極みだったに違いない。
 
 さてナメクジの在来種、巨大で真っ黒な種だった。体長120mmに達するのもいて胴回りは小生の親指より太いから25mmは超えただろう。何よりも「ヘェー!」と感じ入ったのは身体後方半分に縦縞が通っていた事で、プリーツズボンのようにも見える。これは綺麗だった。
 後部末端に菊座状の突起物があったのだが、排泄器なのか生殖器なのかは知る由もない。まあ、悪性腫瘍でなければどっちでも良いのである。
           在来種とマダラ


 人肌色したナメクジは「イベリア種」と呼んでいた。これは外来種で、一時期猛威を振るったのだそうで、その駆除に導入した「庭用家禽種」が野生化していた。その事に由る環境被害の報告はまだないのだそうだが、日本のマングース放生ほど馬鹿げた事態を引き起こすとは思われない。
 マングース放生や最近の登校児童圧死事例や大学運営等々を例に出すまでもなく、知識も分析能力もビジョンも無いのに権限だけを行使する輩による弊害は国の津々浦々にまで及んでしまった。まあ、立国の基盤、教育と政治・行政において顕著だから何をか言わんやではある。

 とは言うものの、なにをか言いたいのが小生で、高学歴や要職、社会的地位の高い輩がナメクジの働きにさえ劣る現実は何を言ってもグチだろう。
 これらのナメクジ、どういう訳か刈り払ったタンポポに群がってくる。美味しいのか食べやすいのか知らないが、どちらにしろ食い物にする物はどちらのナメクジ様も「空洞化」がお好きなようで…。
            


 吐乱譜はさておき見たかったマダラコウジナメクジの幼体期と思われる個体は見る事が出来たが、はたしてそれが「マダラコウラナメクジ」であるとの確証はない。本邦でも確認の事例はあったとの事だけれど現在はどうなのか、所詮、ナメクジなど不快害虫の範疇で、言わばマイノリティと言ってもよいか…。いやいや、ナメクジを取り上げる小生自体がマイノリティに分類されていく…。
 本日の吐与太話はこれまで!。
             マダラとイベリヤ種

 どうせ吐与太話だから、もう1話。映画「メアリーと秘密の王国」に出てきたキャラクターにナメクジがいる。脇役ながら大事な役どころなのだが、このナメクジが本件の黒いナメクジのデザインそっくりだった。「デザイン的にも採用水準か…」と思ってみていたのだが、たまたまTVドラマ「ブロードチャーチ 最終回」を見た時、刑事の自宅の床に黒いナメクジがいた。室内にいたのも踏み潰したのもどうかと思ったけれど、同種かどうか録画を静止させても判別出来なかった。これは英国製ドラマ、映画はアメリカ製なので「海外のナメクジは黒い傾向にある」と印象付けられたものの、実態は不明で、まあ、吐与太話だからどうでもいいのだ…。

ところ変われば 2 「交通標識」 

2018-07-05 | 旅行記
 最近に完成したと言うトンネルを通った。これが出来るまでは地上部の道路だったから時間がかかったそうで、どこでも事情は似ている。

 地盤そのものが岩盤だから、日本の様にコンクリートで固めねばならない事も無いようで、岩むき出しのトンネルがほとんどである。感心したのは設計の仕方で、日本では直線で造るだろうが、このトンネルは先が見通せず曲がりくねっているのである。「接続の問題」と説明を受けたがそうでもないように思えた。
 そのうえ、非常出口の標示が面白い。グリーンライトでトンネルの半分、そのありかを照らしている。ところ変われば設えも変わる。

 横断歩道の前後はかまぼこ型で減速を余儀なくされるし、交差点は信号が無くほとんどがロータリーだ。しかしながら閉口したのは舗装面両脇の状態で、小生は歩行者でいる時間が多かったからだが、歩行者は少ないとはいえ浸食され歩きにくい。白線より一段下がれば地盤むき出し、脱輪したら事故につながるだろうと思わせる管理状態であった。そこを日本より早いスピードで走るから、お上りさんの小生は冷汗もんだ。

 まあ、観光地らしき所へも行かず、チマチマと猫の額を歩いて帰ってくるなど「お主、馬鹿よのう!」と代官様に言われそう。ちなみに小生越後人、越後屋ではないし「テレビで見た、写真とおんなじ!」何て感動は終わってみれば行かなくても同じである。

ところ変われば 1 「絶滅危惧種」

2018-06-29 | 旅行記
 居候先から歩いても行ける距離に牧場があった。乗馬クラブも併設している羊の牧場である。この羊、教えられるまで小型のヤギとばかり思っていた。ところがなんと羊だったのである。

 本邦で言えば絶滅危惧種で天然記念物、と言っても良い、現地の固有種なのだとか。厳しい環境に合わせて進化した種なので商業牧畜にはなじめず絶滅寸前まで行ったらしい。それを現地の篤志家と言うべきか篤農家と言うべきか保護繁殖に取り組み現在の数まで復活したとの話だった。

 小型の上に羊毛も乳も肉も採れそうもないのでは商業ベースに乗るのは難しいのだろう。国からの補助金も得て繁殖に努めていると聞いた。
 道路沿いの牧場は当然、草地区域を移動させながら食べさせている。びっくりしたのは草が伸びている地区の大半がキンポウゲ科の花畑だった。
 たしかキンポウゲは毒草と記憶していて「食べさせても大丈夫か? 食べないから繁殖したのか?」と思ってみても回答は得られなかった。
 このキンポウゲ科の植物、至る所で花盛りだったから、牧場特有の植生でもなかった。早い話、春と夏が一緒くたに来ている故のお花畑なのであろう。

 トンボの生息するだろう水溜りを求め湿地帯と森林が入り混じった地域を歩いていた時の事、牧場の近くだった事もあり格子状の柵が続いている。道路には扉や踏み越え用の梯子まであって放牧地の一部になっていた。
 当然、頸のベルを鳴らしながらの群れもいたのだが、小生、農家育ちで牛、ヤギ、豚、鶏の世話をしていたとは言え、やはりウンコは臭く懐かしくも、「臭いやさしい黒ウンコの 濡れているよな黒い艶…」なんて歌は出てこなかった。

 まあ、遠くまで出かけ観光地など行かず、廻り歩く所は歩ける範囲だけとは…そんな手太楽では小生が絶滅危惧種であろう。いいや、誰も危惧などしておらんこて…。そうだこて…。そだねー。