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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

キジョランの莢

2024-01-14 | 蝶の食草園

 直ぐ上の兄が「数個、結実したから…」とその中のひと莢を送ってくれた。莢が青かったし割れていたけれど熟したと言うには時間が不足している段階かも知れないなあ、と思いつつ水切りネットに入れてカーテンレールにぶら下げた。乾燥が進みはじけて溢れ出ても部屋中「なんてこったい!」なんて事態にはならない。

 もともと結実したキジョランは小生が育成した苗なので、端的には「里帰り」の種子になるのだが当地で育てている兄弟姉妹、はてまた大先輩のキジョラン達は未だに結実してくれないのが小生のフイールドの現実である。「キジョランは気難しい、育てにくいい、生育不良のまま」なんて心証は小生だけでなくS先生も同意してくれるほどのキジョランの扱い難さであるが「鬼女蘭」と漢字で書けば生易しい植物ではないと言うのが窺い知れる。写真のキジョランに発芽能力が備わっているかどうかは播種して見なければ判明しないけれど、数本でも発芽してくれれば願ったり叶ったりだ。

 年明けの4日、フイールドのキジョランを見回ってみたが観察できる高さの葉には既にアサギマダラの幼虫は発見できなかった。ただトチノキの梢にまで上ったキジョランには食痕は見えているので1頭くらいは生存しているかも知れない。ここはまあ、生存していると思って眺める事にした。

 莢ごと送ってもらいそのまま水切りネットに入れてカーテンレールにぶら下げて置いたらモコモコと大冠毛付きで溢れ出て来た。この大冠毛、タンポポの冠毛の比ではなく大きいものは40mmほどに達する。それだけに捕縛から逃せば屋外では僅かな風に乗って行方不明になるし、室内では千切れた冠毛が室内を漂い、呼吸もしたくなくなる惨事となる。

 播種までネットの中という訳にもいかないので45リットルのゴミ袋の口を二折りほどしてからその中で種子と大冠毛を外した。屋外ならばネットから摘まんで取り出すだけで済むけれど、何せこの日は寒さ厳しい曇天では庭に出る気にもならず暖かな室内でと横着を決め込んだのだ。取り外した種子はおおよそ60個、中には明らかに未熟果と見える物もあるから歩留まりは7割程度だ。しかしながら播種して発芽までに至るかどうかは現時点では不明の完熟莢とも思えない実からの採種である。まずはお彼岸ごろに播種して発芽するのは梅雨に入る頃になるから結果が判明するのは半年も先だ。育林だけでなく草本の育成も時間と手間が必要なのだった。


萌芽前の手入

2024-01-10 | 蝶の食草園

 突端台地のインセクトガーデン、既に地上部は枯れ色一色だけれど落ち葉下にはノアザミや在来種タンポポのロゼットが展開している。入り込むと踏み潰す格好になるから立ち入りは控えてきたのだがいかにせん、ネザサやクサイチゴの侵入が進み枯色の中で目立っている。この期間で多少とも排除しておかないと萌芽後では多くの新芽を傷める事にもなるし、そもそも色合いが似たようになり判断がつき難い。

 ネザサは小型のツルハシで地下茎ごと抜き上げる。クサイチゴは表層をランナーで展開していくので要所要所の根付いた箇所を引き抜けばよいのだがランナーが千切れ易くその意味ではしぶとい植物だ。クサイチゴは赤い実をつけるからスケベ心をおこして抜かないでいたらフジバカマが生存競争に負け一坪ほどの面積を絶滅させてしまった。それからはスケベ心は起こさず二又はせずフジバカマ様一筋だ。まあ、たいていの場合、群落を形成するタイプの植物は何らかの排他因子を有していると思って良いだろう。抜き取り最中に虫が出て来た。恐らくはクビキリギスではないかと思ったけれど鑑定眼のない小生だから別種かもしれない。バッタ類はチョウ類にくらべ痛みが少ないのは運動が穏やかだからだろう。

 中腰作業をすると腰に痛みを感じるから片膝付きで抜き取り作業をしたのだが、今度は膝が冷えて痛みが出てこないかと心配になる。そろそろ膝の保温サポーター装着もしなければならない。高齢者ともなると自分の身支度や身じまいに手間暇留意を要する様になって、それが原因でヨタヨタもするのだった。まあ、情けないわが身の現実を観るより萌芽し開花しインセクトキッチンとなった暁には「やってよかった貼膏薬」となるのであるわい。抜き取った量はほぼ一輪車1杯分程度になった。刈り払いでは抑制できない場所で相手だから時を選んで抜き取る作業は必須なのである。


食草園の手入

2023-12-25 | 蝶の食草園

 師走ともなれば落ち葉掻きをして落ち葉堆肥も作らねばならない。昨季の落ち葉山は既にペタンコとなって厚さはせいぜい40cm程度になっている。2袋ほど自宅に持ち込んで庭に敷いたけれど余りは当然あるから食草園のキジョランと生育不良のヤマビワに一輪車1杯を株元に施した。食草園全体には毎年初冬に落ち葉を厚く敷き詰めてきているし周囲の食樹木には崖下の山土をも根元周りに敷いてきた。

 昨秋の落ち葉山から ➡  キジョランの株元へ

 それと言うのももともとが棚田跡で地面は粘土質で尚且つ表土は薄く貧しいと来ているからヤナギやトチノキの生育は良いけれどこのような土壌環境を嫌う樹種だと無学ゆえの小生、初めから承知はしていなかったのだった。とにもかくにも哀しいかな知識不足で誘蝶繁殖のためにと食樹を集めてしまった。そんな事から生息していない種の食樹も入っては居るのだが移動の折りにでもたまたま飛来してくれる可能性もゼロではないのでひたすら待ちながら樹木の健全さを維持するための客土であり落ち葉の敷き詰めなのである。

 昨秋に集積した腐葉土は一輪車で7杯、現在落葉中の落ち葉は林道で回収してきた分6袋を投入した。欲を言わなくても更に同量程度を入れたいけれどとりあえずは色を付けたので一安心だ。まあ、手入と言うよりは残渣物の集積そのものでもあるのだけれど、見た目は悪いが「あばたも笑窪」の範疇と言うべきだろう。


キジョランの定植

2023-11-07 | 蝶の食草園

 早春に播種し発芽を「いまか?いまか?」待ち続けようやく丈20cmを超えるまでに育ってくれたキジョランのポット苗。過去の反省からポット数を多くするより苗の数を増やした百均のクズ入れで養成したキジョランである。

 来春に定植するつもりだったけれど定植予定地の地拵えも済んだので敢て早めに二カ所に定植した。わがフイールドに於いてのキジョランの生育は思わしくなく既に20年生もあるけれど繁りも悪く結実もしないのである。その理由を「棚田の跡地」である事だと推定想像はしても確定できる根拠がある訳でもないので、とにもかくにも環境を変えながら適地を見いだせるまで続けるしかない。

 10月末に苗の定植だと産卵され食べ尽くされる心配もあるのだが、もともと食草用の保育であるから痛しかゆしと言う処でもある。今回の二カ所は畑跡の肩に植えてアラカシの幹に這い上らせるつもりであるけれど土壌の相性は不明だし二カ所の植え付け場所はほぼ3mほで離れて一方は日当たり良好で一方は夏場は葉陰になる木漏れ陽程度の日照環境だ。つまりはこの違いの生育相違を確認したい。

 同じような活動をしている兄のフイールドでは「結実して莢が3本確認できる」と先日電話で知らせがあった。アサギマダラの飛来は確認できてはいないらしいけれどキジョランは既に3m程度まで成長しているとかで、何とも羨ましい限りだ。今回定植した周囲には伐採したアラカシの枝を使った杭で囲ってみた。蔓の根元を保護するためと杭列の中に落ち葉堆肥のマルチングをしっかりと保持したいために行った。落ち葉堆肥の厚いマルチングが可能になったものの今度は威之志士様の跋扈蹂躙に遭い易くなる。気分商品ならぬ気分行為ではあるけれど竹酢液を散布して忌避してくれるように念じて作業は一段落したのだ。

 

 


二点位置流れ・昆虫スコイぜ!「20年目の浮気!」

2023-11-01 | 蝶の食草園

 食草として初期から導入したコクサギなのだが何故か産卵してくれないまま20年が経過した。アゲハ類がいない訳でもなくユズやミカンの葉には産卵して蛹にまで生育しているから七不思議のひとつなのだった。S先生曰く「他に食草・食樹は豊富だから…」と慰めてくれるものの「せっかく植えたのに・・・」とふてくされてみもする。

 それがなんと10月下旬、たまたま通りすがりに覗いた葉の上に鳥のウンコ状物質が見えたので確認したらアゲハの幼虫だった。他にも居ないかと探したら3~4齢の幼虫と終齢に思える幼虫がいたのだ。姿模様から「カラスアゲハ」ではないかと見当をつけてみたけれど強いて判断せずとも「幼虫が付いた!」で十分報われる。落ち着いて考えてみれば主食の穀物、米に限っても食べる品種は手当たり次第ではない。魚沼産の小生としてはコシヒカリが主食で他の新進銘柄は「美味しい」のもあると理解していても浮気はしない。特に義理立てし固執している訳でも無いけれど結果はそうなので、まあ、アゲハちゃんたちもそんなつもりなのであろうか。

 ここで閃いた。「今食べている幼虫が産卵するのはコクサギの可能性が高いのではないだろうか⁉」育ってきた食生活は遺伝子に組み込まれる…ナンチャラカンチャラ。


囲いにノアザミの定植

2023-10-24 | 蝶の食草園

 踏み荒らされない様に囲いを設置してノアザミを定植したのだが今期は開花して枯れてしまった。除草をしたところロゼットの状態で数株みえたものの状態から開花株ではなさそうだ。先日は尾根突端に補植してきたがこの日は最後のワンケースの20ポットを定植した。

 囲い内にはネザサやカサスゲなども侵入しているので大まかに抜根してからの定植である。今回の定植は最初の頃の定植と比較すると間隔は倍以上に広く取った。ポット数が少ないのもあるけれどもともと大株になる草勢なので密を避ければ少しは長持ちするのではないか、という期待もあるのだ。

 囲いの中はノアザミ無し ➡  除草した

     

 植え付け後、トンボ池から泥水を掬い水決めした。敢て泥水を使うのは威之志士様の跋扈蹂躙に遭いたくないのでポット株の臭いを誤魔化すつもりである。ついでに泥が定植部の土の隙間を埋めてくれるのも期待する。この中に昨秋の落ち葉腐葉土を敷き込みたいのだがそうすると威之志士様の関心をたっぷり惹く事になり株が危なくなるので敢て素っ気なくせざるを得ない。とりあえずのノアザミ定植は済んだけれど野草の草勢が衰えてくれば水域の土木補修が残っている。凍結期に入る前に終了させられるのかどうかはひとえに肩腰膝のご機嫌が頼りである。


ノアザミの定植

2023-10-18 | 蝶の食草園

 「遅まき」と言っても「遅蒔き」とは異なり初夏に採種し採り蒔きしたノアザミのポット植えは既に植え付け時期を過ぎているのだが判っていても諸般の事情、喫緊の課題等々で先延ばしになっていた。ようやく遅まきながら半分を定植できたのだ。この日、「明日は降雨」の天気予報を確認して突端台地に補植したのだ。まだ1ケース残っているがとりあえずはひと心地ついた。

 ノアザミは多年生とばかり思っていたのに突端台地に植え付けた株もドンボ池横の囲いに植え付けた株も二期ほど開花してほとんどが枯れ死となった。「宿根するけど数年の寿命」という二年生とか三年生の性質なのかどうか知る由も無いものの補植をしないと蜜源が不足する。枯れ死した範囲はぽっかりと空間となったものの植え付け時にしゃがんでみると何株かがロゼットとして展開していた。茫洋としている脳波を集中させ考えてみるに開花結実させる二期の間に種子を落しそのいくつかが定着するサイクルなのだろうと推測してみたが役に立つ推測でもなんでもなく単なる妄想になっているだろう。

 そう、妄想より実務であって母校の「実学・実務・実業」という建学の精神を忘れてはいかん。そんな事でポットケース一つ分を定植したものの40株ほどではいくらでも無い。定植後に水を与え落ち着かせたが翌日はしっかり降雨の予定なので冬に入る前までには活着して欲しい。

       親株が消えた跡に補植     新規に広げた補植

 


二点位置流れ・昆虫スコイぜ!「アカボシゴマダラ脱皮殻」

2023-09-24 | 蝶の食草園

 林道横の擁壁にある水抜き穴、この穴からエノキが生えているのだが伸びるたびに切り取られ大きくなれない。まあ、大きく育つ環境ではないものの昨年から切られずにいたので越冬幼虫から成虫になるまでを見せてくれた。夏の間までポチポチと幼虫の姿があったのだが今夏の余りにも猛暑ぶりに観る事も減っていた。それも9月に入るとチェックが復活し時折は「こんにちは!」とまでは言わないものの姿を探す。

 既に脱皮して成虫になっているはずであろう個体の終齢までは見たのだが蛹の状態は見損なってしまった。終齢幼虫の次は脱皮殻の状態である。蛹は葉の色に似て判別し難いけれど脱皮殻は白色で目立つ。目立っても既に生命体では無いし捕食者もいないだろうからバカボンパパの言い草を真似れば「それでいいのだ!」。「昆虫スコイぜ!」の本家のご隠居が鬼籍に入ったが本家本元は恩讐を越え傾奇者らしく復活して欲しいものだ。番組のファンは傾奇中身があってこそのファンなのであり替わりは無い。反面教師としてもよゐこの教材になるのに早い話、業界の「大人の事情」か…。猫八に言わせれば「馬鹿だねぇー」だねぇー。家の外壁で風雨に晒されているジャコウアゲハの脱皮殻は風化もせず何年もその姿を留めたままだ。アカボシゴマダラの脱皮殻も風化し難いのだろうと推測するけれどくっ付き場所が葉では秋には落葉するから埋もれ消えるのだろうなあ。

 早い話、打ち切りになった番組も脱皮殻みたいなもんだと小生は思って見たけれど一所懸命では傾奇者にはなれん。一緒賢明でなくては・・・。

    


ミソハギは満開!

2023-08-02 | 蝶の食草園
 日当たりの良い水域のミソハギが満開になった。開花すれば小昆虫の良い食料源となるらしいので群落を形成させたままだけれど「環境的景観」としての役割ももちろん存在している。
 それはともかく小生的な楽しみは「セイボウ」を見る事にあるけれど今期は「熱中症厳重警戒警報」なんてものが連日出て来る異常事態なのでご出勤も控えめである。故に今期はまだ見ていないのだが婚期は1回だけあった。見たいと言う根気は続いているものの今期の特徴は外来種の「タケクマバチ」の数が多い。撮影しようと花の中で機会を狙ってみたけれど1花当たりの滞在時間が短くピントが合う前に移動してしまう結果、撮影できなかった。

 昨季までのタケクマバチは訪花している個体は1~2匹程度だったのだが今期は立ち止りカウントしても片手の指の数を超える。周辺での繁殖は定着したと言っても良いだろう。
 自ら移動できる外来生物の中では他にアカボシゴマダラ、ナガサキアゲハ、ガビチョウ、ソウシチョウ、リュウキュウサンショウクイ等々が定着繁殖種として小生でさえ理解できるまでになった。植物では敢てキクイモを持ち込み栽培する阿呆もいるしオオカナダモを投入していくクズもいるのだが現在の状況は大方、人の移動で侵入してきた種が多い。端的にはヒッツキムシの類いなのだが野生動物の活動によっても散布されてしまうので一旦入ってしまうと根絶は難しい。

       

ノアザミのポット上げ

2023-06-29 | 蝶の食草園
 採り蒔きしたノアザミは発芽して本葉が出る頃合いでも無いのだが混み入ってきたしポットに上げる事にした。量が多いので数本立ちで植え込む手間は用いずスプーンでトレイの底から浚ってポットに移したのである。最初は大きなピンセットで行おうとしたものの根張りが崩れていくし植え傷みも強くなるだろうから掬った半分は枯れたとしても1ポットで育てるには十分な量で活着して本数が多いとなれば間引けばよいのである。

 ポットに上げて1カ月もすれば鉢底から白根が見えてくるだろうからその時にはフイールドに定植する。フイールドのノアザミの開花はとうに終わり種子も散らしてガクだけを残した打ち枯らした姿なのだが自然散布できた種子の量に比較して発芽に到る数は僅かで周囲にある開花株のほとんどは養成苗からのものである。

 ノアザミに限らずフイールドに蒔き床を設え直播しても発芽成長する数は少ないので安定的に供給するにはどうしてもバックヤードの作業が必須だ。
 メドハギは早春に日当たりの良い場所を耕しスプーン1杯分ほど播種してのだがパラパラと発芽は確認できたものの先日、S先生と共に確認に行ったところ数本しか数えられなかった。この本数では育つかどうか怪しいのであって後日に掘り上げして自宅でポットに植えなおしている。たかだか3本3ポットでしかないけれど宿根草だし1本でも活着し開花株となってくれれば次世代株の希望が見えて来る。
 ノアザミも株数としては100本ほどには達しているだろうがフイールドの中で観ればほんの一画であってもう少し欲しいのだ。育苗バットの苗はまだ半分ほど残っている。もったいないからもう50ポット程度を用意しようかどうしょうかと思考徘徊中だ。かくして貧乏暇なし、貧農暇なし、貧脳能無し、てなもんや三度笠。


キジョランの鉢上げ

2023-06-24 | 蝶の食草園
 彼岸の頃に播種し待たされ待たされしてようやく発芽したキジョランに本葉が見えて来た。全ての苗に本葉が出ている訳でも無いけれど梅雨の間に活着させたくて植え鉢を準備し用土も調合して鉢上げを済ました。今回は以前の様に1本立ちさせるのではなく複数本の株立ちで仕立てる。植え鉢は百均で購入したゴミ箱で用意したのだが鉢上げする間に部屋のゴミ箱に2個使ってしまい結果的に古い鉢を使わざるを得なくなったのだが通常の植木鉢には深型が少ないしあっても高価なので百均の容器で十分なのだ。とは言え主役をゴミ箱に使ってしまい間に合わせの容器になって本末転倒元の木阿弥…。

 さて用土は黒ボクに篩を通した腐葉土と園芸用土を混合した。黒ボクを用いるのはS先生の伝授で「生育が良くなる」との話だったから自分なりに配合は吟味して用土を作る。鉢は底に穴を開けず下部側面にドリルで開けた。庭土を篩いに通し出て来たゴロ土を底に敷き用土を入れ植え付け位置の塩梅を見ながら鉢上げ終了となった。
 このまま来期まで育成するけれど来期に定植できるかどうかは成長次第である。今までの経験則では幼苗の生育は思わしくなく庭に定植したのはほどんど伸びず、結局はフイールドに移植したのだった。

 フイールドへの定植株もすべてが棚田跡の耕作跡地のせいか繁茂しているとはいえずこれが悩みの種だった。今春は一頭だけ自然状態で羽化して去ったものの食葉量不足で引っ越しやむなしでもあったのだ。この日に鉢上げした株は耕作跡地には定植せず本来の山地に適地を見出して植え付ける予定の株なのである。さーて、どうなるか。どっちにしても結果判明には片手の本数では足りない年数が必要で、これも危うい賭けみたいなもんでもある。

       

産卵が無かった結果は開花!

2023-06-17 | 蝶の食草園
 どういう理由があるのか全く不思議な現象で今期の自宅にはジャコウアゲハが舞わないのである。故に食草であるウマノスズクサは食害、ではなくご馳走にならずに済んでいつもなら一回目の食い尽くしの頃なのに健全で開花にまで至ってしまった。
 しかし、ジャコウアゲハの産卵はなくとも数株の葉は細かい食害を受けて網のようになっている。食べている昆虫など興味が無いのだがこの現象も今期になって初めて観察したのだ。「有毒のウマノスズクサを食べるジャコウアゲハの幼虫ではない虫」とは誰なのだ。まあ、思考難渋しようとも判明する訳もなく十数年ぶりの花見となった。

 もともとウマノスズクサは食草として庭に入れたのでもなく大株にして「へんてこな花」を鑑賞したいと言う覗き見趣味のいわゆる「出っ歯の亀さん」ならぬ亀頭…いいえ「輝頭の爺さん」の手口に過ぎなかったのだけれど種子も出来ずに繁殖し今では猫の額、鼠のおでこに繁茂してしまった。
 この疑問をS先生にぶつけたら「地下茎で繁殖します」といとも簡単なご宣託で子選択は「種子だけでは無かった!」と初めて理解したのである。人生百年時代、学ぶのは尽きる事が無かった。と言う事は「種なしになった小生でも繁殖の機会あり!」と結論誘導できるのだが確かめる術もなかったわい。

          

キンジソウとアサギマダラ

2023-06-14 | 蝶の食草園
 キンジソウ、スイゼンジナとも言うそうだが小生のお付き合いは「キンジソウ」で始まったからスイゼンジナと言われてもピンとこない。
 30代の頃、少しばかり借りていた畑に健康野菜として苗を金沢から取り寄せたのが最初で最後だ。いわゆる家庭菜園で簡単に食する野菜として作付けしたのだったが借地が住宅地になる事で露と消えたのだった。あれから何十年、忘れていたキンジソウだったのだが吸蜜植物の検索をしていたところ「キンジソウに群がるアサギマダラ」の写真に出会った。撮影地の環境が不明なので「他に吸蜜植物が無い」のかも知れないものの見事な群れだった。
 またキンジソウの栽培者が「アサギマダラ吸蜜用」として管理していたかどうかも不明だったけれど間違いなくキンジソウの花に群れている写真だった。

 これに促されキンジソウの苗を購入した。もちろん食用菜としてではなく吸蜜植物として栽培するのである。ネット注文で届いた苗はポットは小さいけれど健康な大苗で、よく管理されている苗だと一目瞭然だ。これをそのまま地には下ろせないので一旦、4号ポットで肥培管理しながら新たな発根を促し、その上で定植する予定である。
 雨の合間に定植地の土壌を砕土してネザサの根茎などを除き少しばかり落ち葉堆肥を鋤き込んで置けば準備完了である。梅雨明けまでには定植できるだろう。
 8ポットも必要なかったのだが最低購買額があってその額以上でないと注文を受け付けてもらえなかったので結果的に8ポットとなった。

 写真左側がキンジソウで右側は白花フジバカマである。フジバカマの白花はあまり見かけないけれどある施設内の花壇に白花と赤花の花壇があって「白花にだけアサギマダラが群れていた」とS先生の目撃談を昨季に聞いていたからたまたま立ち寄った園芸店で一鉢だけ見つけた白花フジバカマを昨秋購入し結実していたから今春に播種したけれど発芽が無かった。播種で苗を育てるより「挿し穂で育てた方が早い」のは承知なものの購入時より茎数が多く出た今期だけれど挿し穂を採る勇気がない。「どうしょうか⁉」と迷っていたところにキンジソウの写真を見たのだった。

 これで白花フジバカマからは今期は挿し穂は採らずに定植する。合わせてキンジソウも定植し両方の開花は実現できるだろうから誘蝶し吸蜜させるにどちらが有用なのか比較できるはずだ。水源地の河床安定化作業を急がねばならないのであるけれど定植地の設えも済ませておきたい。
 男性型脱毛症のせいで毛髪が無いから孫悟空の様に髪を抜き息を吹きかけ分身を作る芸当は不可能であってまあ、やりくり算段、暇人余談てなもんや三度笠。

        



フジバカマの移植

2023-03-15 | 蝶の食草園
 新芽が伸びないうちにと思いつつ降雨が無いので移植後の活着が気になって先送りしたがために萌芽は10cmにも達している。これでは植え傷みする事は必至ではあるが致し方ない。雨量を期待できる予報ではなかったものの降雨の予報が出たから思い切って庭のフジバカマを掘り上げてフイールド突端台地に定植した。一輪車で一切合切押し上げなければならない位置なので一回に全てを賄えず二日がかりの作業になった。
 まずは掘り上げた根塊土塊を一輪車で運び次はポリタンクで水と道具を運び上げる。これだけで息絶え絶えゼイゼイ喘ぎの一休みを数回しないと植え付け場所へは到達できないのであった。

 降雨が十分で近くの三日月池に水量があれば運び上げなくとも良いのだが水位がそこに達しようとする寸前では水を汲む訳にはいかない。そんなことをしたらクロスジギンヤンマやニホンアカガエルの子どもたちを干からびさせてしまいかねないのだ。
 とにもかくにも植え終わった。庭の群落は消えてバラバラの新芽が残っているけれど、これは鉢に上げて養成した後に定植したい。残った根茎で数年後にはまた群落に戻ってくれるだろう。




メドハギを播種

2023-02-20 | 蝶の食草園
 フイールドでのキタキチョウ初見は11日だった。早春から晩秋まで姿を見せてくれるチョウではあるが食草となるメドハギを少しは増やしたい。集落のあるY川河川に少しはあるしネムノキは十分にあるから繁殖には差し支えないものの「観察」するとなると草本が役に立つ。

 そこで突端台地の一画、コブを均してメドハギを播種しコロニーを用意する事にした。食草が足元なら観察は容易である。キタキチョウそのものは絶滅危惧種とかのレベルでは無いけれど捕食者にとっては昆虫の少ない時期に飛翔する貴重な黄蝶なので「来た!貴重」と喜ばれる喜蝶なのであろう。
 まあ、そういう料簡で増やされるチョウも迷惑この上も無いけれど「食料自給」はフイールドの生物多様性確保・食物連鎖充実にとっては永遠の欠く事の出来ない課題である。

 キタキチョウとは異なるが早春の短い期間だけ出現するツマキチョウも春先の楽しみな種で、昨季は食草となるイヌガラシの一画を用意した。この結果、食草自体が刈り払われる事も踏み潰される事も無い環境があったから今期は出現数が増えると期待しているのだがまあ、「でないチョウの数算用…」になってしまうのかどうかネェ。
 里山保全活動でおつりが来る期待は無用で、おつりが来るのは「ボットン便所」と相場は決まっておるのだ。