今日は水曜日。 あ、もう過ぎてますけど。
水曜日は、映画館がレディスデーで、1000円なんですね。
もう一月も前になりますが、「崖の上のポニョ」を見に行きました。 映像がとてもきれいだから是非にと勧められて。
わざわざ映画館へ行くのにそれだけではもったいない、 ガソリンだって高いんだし。そこでわたしは、欲張りな計画を立てました。
まず、母を松山の伯母のうちに連れて行って、
次に染色教室へ回って足りない材料を買って、
それから実家へ引き返す途中、スーパーに併設されている映画館で映画を見て、
すぐ横のホームセンターで額縁用の板を買って、
実家へ帰って、額縁作りをして、
夕方母を迎えに行く。
すごく合理的でいいんではないの。
9時半頃実家に行くとー
机の上に「今日は松山へは行かん。」と書いた紙切れを残して、母は行方不明。
弟に、今日、午後から木工していい?と聞くと、「ええけど、午後からはおらんぞ。」と言う返事。 あちゃ・・・
でも、せっかく来たのだから映画は見に行こうと気を取り直して出かけました。 やけに今日は車が少ないなあと思ったのですが・・・・・
「棚卸しのため、本日は閉店させていただきます」
肩すかし3連発をくらって、これが不運の始まりだったかも。
しかたなく材料を買いに行って、松山にある映画館で見ることにしました。
それがねえ・・・・・
ポニョもそうすけちゃんもとってもかわいかったし、何気ないしぐさの描き方がすばらしい、よく観察しているなあと感心もしたし、スイミーみたいな魚の群れや海の中の様子もきれいで楽しかったし、そうすけのママの、さっぱりしておおざっぱで芯はやさしいところも気に入ったしー。
でも、わたし、ダメなんです。 水が襲ってくるところが。 そうすけを狙う水とか、嵐で車を飲み込みそうな波とか、足元を泳ぐ古代魚とか、怖い、怖い。 なにかトラウマがあるのかも。 今でも足の届かない深さのところでは泳げません。
次の日、県展に出す作品を染めていて、不覚にも色濃くしすぎました。
それでもなんとか修正し(ごまかし)、2週間たって、ほぼ染め上げました。
次は、作品を貼るパネルと、額縁の制作です。 春につづいて額と中の作品の一体化を目指しています。
サイズが既製のパネルでは合わない変則的なものなので自分で作るしかないのです。
額はこんな形。 /P>
ハンドジクソーで曲線を切り抜き、サンダーで磨いて仕上げます。 板の継ぎ目にパテを塗り込んで乾かしているところです。 弟におしえてもらって、自分で切ったんですよ。 ついでに自分の親指の先も。
ジクソーのスイッチを切って、止まったと思って指を持って行ったら、まだ止まってなかったの。 ほんのちょっとなので少し血が出ただけですみましたが、指先が使えないのは不便でした。 これが先週の水曜日。
そして次の日、 パッキングをするためのスタイロフォームを図案通りに切り取って、高さを調整するため削っていきます。 母が入院中のため、父の世話を兼ねて実家で作業しました。
建築資材のスタイロフォームはこれです。 猫には爪研ぎにちょうどよかったみたい。
これが切りくず。 薄く切ったスタイロフォームは、綿菓子のように口の中でとろけそうな感じです。 もちろん食べられません。 これがもう、静電気で体にまとわりつくわ、粉を吸い込んでくしゃみがでるわで大変。
そうとう削らなくてはならないので、少々やけになっていたかも。 あっと思った瞬間に、ぶわっと血がわき出てきました。 夜だけど病院へ行ったほうがいいだろうか、ひと針縫ったら回復は早いんだけど、このぐらいだと縫わなくてもいいかなあ・・・・・赤く染まったティッシュを取り替えるたびに血が吹き出ます。 左手親指の根本をきつく握って、手を心臓より高くし、わき出る血を呆然と眺めていました。 ひたすら押さえること30分。 ようやく出血が少なくなってきました。
そのころになって、部屋にこもったきりのわたしにようやく父が気づきました。 指さしのできないわたしは、口先だけで消毒薬を指示し、指先に垂らしてもらいました。 そしてカットバンを出してもらい、貼ってもらいました。
ああ、もどかしい。 頭のゆるんだ父にはなかなかむずかしい作業のようでした。
結局翌日も病院に行かなくて済みました。 でも、2,3日カッターナイフを触る気になれなかったので、また作業が遅れてしまった。
そして10月1日水曜日、作品はほぼ完成。 母が退院してきました。 めでたしめでたし。
でも、こんな些細なことで運がいいとか悪いとか言っているわたしは、平和で恵まれた生活を送っているということですね。