陽気に生きるためのコツが、この本には書いてあるねぇ~
渡辺京二さんの著書である「逝きし世の面影」という本を読んで、実に明るい気分になった。この本はかの高名なる東大教授の養老孟司先生の本で知ったのであるが、実にいい(「世につまらない本はない」朝日文庫)。
こういうきっかけが大事である。読んだこともない本を教えてくださるのだから、これだけでもありがたいではないか。知ったかぶりをしていたら、こういうことを知るチャンスがなくなっちまうのである。だから謙虚に生きなくてはならないと思っているのだが。間違ってはいないだろう。たぶん。
しかし、渡辺京二さんの本は、いい。なんてたって、日本民族が明るく楽しく、なんでも幸福に物事を受け止めて生きてきたということを、多くの外国人の目からこれでもかこれでもかと書いてあるのだ。
快書である。
特に、第二章がいい。「陽気な人々」という章である。ちょっと引用してみよう。
「19世紀中葉、日本の地を初めて踏んだ欧米人が最初に抱いたのは、他の点がどうあろうと、この国民はたしかに満足しており幸福であるという印象だった。ときには辛辣に日本を批判したオールコックさえ『日本人はいろいろな欠点をもっているとはいえ、幸福で気さくな、不満のない国民であるように思われる』と書いている。」
どうだろうか。
じつに体感的に納得できるのではないのか。
要するに日本民族は、こだわりというものがないのだ。一遍チャラにする能力に長けているのだ。だから、戦争に負けても、いったんチャラにして、戦後の経済競争を勝ち上がってきたのである。そう思う。
さらに、忘れっぽいのではないのか。
知人で、出産を経験した方がいみじくも言っていたが、出産の痛さも忘れちゃったわよんという発言を聞いたときもそう思った。こっちは。もっとも、私の古女房ドノにはそんなことは聞けない。聞いたら、パンチが降ってくるからだ。
わははっははっはっはは。
この渡辺京二先生の本には、イザベラ・バードが東北を旅していたときのことも書いてあった。日本人は、イザベラ・バードの荷物を持ってくれても、見返りを求めないのだという。イザベラ・バード(Isabella Lucy Bird, 1831年10月15日 - 1904年10月7日)は、イギリスの女性旅行家、紀行作家。明治時代の東北地方や北海道、関西などを旅行し、その旅行記"Unbeaten Tracks in Japan"(日本語題『日本奥地紀行』『バード 日本紀行』)を書いた。
なるほどである。
お役に立てばいい、それだけだというのは日本人共通の思いではないのか。
だから、日本人は陽気で親切なのである。
こういうのが、どっから来ているのか。
「ご恩返し」の精神ではないのかと、昨日ふと思ったのである。
ここまで生きてきたのも、周囲の方々にご迷惑をおかけしてきたからこそであるという精神である。だから、どんなに周囲にいじめられても、なじられても、厳しくオレやワタシを指導してくださったのであると思うことに長けているのである。日本人は。
したがって、「ご恩返し」をすることが生きがいになる。
福祉の根本はこれであるとも、昨日知った。福祉の仕事の紹介をしている書籍を県立図書館から借りてきたからである。昨日のうちに全部読んでしまったが。
シャープの創業者早川徳二がそうであった。福祉に貢献した経済界の大立て者である。彼は、それこそ貧困の中を生きてきて、シャープを創業した。しかも、関東大震災でもって妻と子を喪った。一から出直しであった。
シャープは、現在経営の面で四苦八苦であるが、創業者の志だけは稀有のものがある。
私も、「ご恩返し」をしなくちゃならんなぁ~。まだまだお返しをしていない。中退した大学院とか、あちこちの学会とか、バイト先もそうだ。
もっとも、あれだな。
オレのような、なんの取り柄もないただの一介の庶民にできることは少ない。
少ないならないで、それもまたありである。
ささやかに生きていこうと思っている。
それしかないし。
*
今日は、三つ目のバイトでもって千葉市に行かなくちゃならない。
これもまた「ご恩返し」であろうなぁ。
ありがたいもんである。
天候が心配だが。あちこち。
ま、陽気に生きていきましょうや。
それくらいしかできないから。
(^.^)/~~~