9月4日(日)、6日(火)と京都劇場へ。
ケラリーノ・サンドロビッチさん作演「世界は笑う」を観てきました。
京都劇場でケラさんの作品というのは初めてですね。
私的には近いからうれしいですよ。びわ湖ホールへ行くより近いかも?
昼公演を買ったつもりが夜公演で。
しっかり、夜の京都タワーをパチリ。
この日も、まぁまぁ人は多かったかな。日曜日やしね。
さて、この作品は・・・
昭和30年代初頭の東京・新宿。
敗戦から10年強の月日が流れ、巷に「もはや戦後ではない」というフレーズが飛び交い、“太陽族”と呼ばれる若者の出現など解放感に活気づく人々の一方で、戦争の傷跡から立ち上がれぬ人間がそこかしこに蠢く…。
そんな殺伐と喧騒を背景に、KERAが笑いに取り憑かれた人々の決して喜劇とは言い切れない人間ドラマが描く。
戦前から舞台や映画で人気を博しながらも、時代の流れによる世相の変化と自身の衰え、そして若手の台頭に、内心不安を抱えるベテラン喜劇俳優たち。
新しい笑いを求めながらもままならぬ若手コメディアンたちなど、混沌とした時代を生きる喜劇人と、彼らを取り巻く人々が、高度経済成長前夜の新宿という街で織りなす、哀しくて可笑しい群像劇。(公式HP こちら より)
開演前に流れる音楽がね、懐かしい昭和のCMなんですよ。
知らないのもあったけど、「あっかる~いナショナ~ル・・」とか、「わ、わ、わ~ 輪が三つ・・」とか、ニンマリですよね。
つまり、この時代を描きますよっていう前フリですけど、ほんとにあの時代にいざなってくれますね。
ケラさんの舞台の、何がすごいって、セットと、プロダクションマッピングと、それに合わせた役者さんたちの動きですね。
ほんと、いつもうなります。
今回は特に、3時間を超える舞台で、豪華なセットがいくつも出てくるんですよ。
最初は、昭和30年代の新宿の裏町。古本屋があって、街頭テレビ?が置かれた電気屋さんにブティック、喫茶店。
その次に登場するのは、この作品の舞台でもある「三角座」の劇場。
二幕では、地方の旅館のロビー、ラストが、それほど長くないのに、一幕とは異なる場末の風景になってました。
出演者も豪華。
まさに、商業演劇やなって思う。
瀬戸康史 / 千葉雄大 / 勝地涼 / 伊藤沙莉 / 大倉孝二 / 緒川たまき / 山内圭哉 / マギー / 伊勢志摩 / 廣川三憲 / 神谷圭介 / 犬山イヌコ / 温水洋一 / 山西惇 / ラサール石井 / 銀粉蝶 / 松雪泰子
瀬戸くんの舞台は、ケラさんの「陥没」という作品で初めて観たんやけど、ちょっと衝撃でしたね。
上手いというか、魅力的で。こんな演技ができる人なのねって思いました。
ケラさんにも好かれてるようで、そのあともう一本出てましたね。
映像の人っていうイメージやけど、デビュー当時はD-BOYSでテニスの王子さまとかも出てるし、
最近では「日本歴史」で、三谷幸喜さんの作品にも出てますよね~
演技のうまさだけやなく、お人柄も良さそう~
主人公の田舎から出てきた青年を演じます。
舞台経験が少なめな千葉くんも、なかなか頑張ってました!
一幕の最初のシーンで、ヒロポンを打つところとか、めっちゃリアルやった。
当時の売れない喜劇人は、やってそうですもんね。
ケラさんの作品は群像劇ですが、脇役も豪華で、ほんとに皆さん上手い人が集まってます。
山西さんとか廣川さんは4役か5役?6役?早変わりされてて。
しょっぱなにヤクの売人で登場したオカマのお姉さん、あの山西さんが強烈でした~~
それほど後ろの席でもないのに、オペラグラスでガン見しましたよ~(笑)
喜劇劇団三角座。
結核療養から帰った看板役者、大倉孝さんのやさぐれぶりが、ほんとムカつくくらいで(苦笑)
戦争未亡人の松雪さん演じる初子に片思いのするのが、瀬戸くん演じる新人裏方の彦造。
ヒロポン中毒から脱出した?コント作家志望の俳優・是也が千葉くん。瀬戸くんと兄弟の役。
是也の恋人で踊り子の撫子に伊藤さいりちゃん。どすの利いた?ハスキーボイスやけど、可愛い女子の役です。
撫子の兄、大和に勝地くん。頼りないけど、やっぱりいて欲しいお兄さん。
最初から舞台にいたアコーディオン弾きの傷痍軍人が山内さんと気づくまで時間が長くて。
で、裏切らない演技(オモロなんですよ)。
「三角座」での看板俳優の役も山内さんらしくて(オモロなんです!)
ほんと、贅沢な舞台やな~って思いますね~
いなくてもいいんやないの?っていうような(失礼な!)ラーメン屋のオヤジ役をマギーさん。
この人がまた、いなくてもいい役ではなく、ちゃんと理由のある役柄なんですよ、
それに気づくのが後半。
目先の札束に目がくらんでネコババしようとするのを初子に見つかるのですが、これがこの物語の結末につながるんですね。
無駄な役ではなかった!(当たり前!!)
戦争へ行って戻ってこない夫をずっと待ってる初子を演じる松雪さん、素敵でした。はかなげで~
イヌコさん、ラサール石井さん、安定ですよね。お二人の会話はリアルで。
「あの時のアンタは面白かったよ」
「面白かったかい? だったらそれでもう充分かな。一生面白くないまま死んでいく奴はいっぱいいるんだからさ」
なんか、沁みるセリフです~
ちょっと、ベイジルタウンの時のイヌコ&温水ペアを思い出しましたね。
というか、今回もご出演の温水さん、今回はデリカシーのない、空気の読めない、いや~な男を演じてるんです。
すごいな~としか言いようがないくらいうまいです。イラっとしますもん。
座長(山西さん)の元妻でプロデューサーの銀粉蝶さんがカッコよくて、でもラストは認知症・・・切ない。
現妻の伊勢さんも良かったです。絶妙な居眠り!(そこから悲劇が~)
緒川たまきさんは、今回はコメディエンヌ、天真爛漫な役で、可愛い~!
ストーリーは、そう、ちょっぴりしょっぱい結末。
あ~そうなるんやね、と。
上演時間は、1幕125分、2幕80分。
1幕を観ただけで引き込まれたけど、2幕もあっという間でした。長いって感じなかった。
終わったきも、えっ、終わり? って思うほど、まだ続きがあるんやないの?っていう感じでしたね。
エノケン、ロッパ以降のお笑い・喜劇人の世界を描くというので、もっとエンタメな内容になってるんかなと思ってたけど、そういう世界に生きる人たちの人間ドラマでした。ほんとに。
ケラさんの作品はナンセンスを含め、難解なものも多いけど、今回はわかりやすかったですね。
(ベイジルタウンの女神は、もっとわかりやすかった!)
携帯電話が出てこない話、ってケラさんがおっしゃてたけど、まさに。
どこか欠けてる人たちが、一生懸命生きている。
人間の汚れたとこだけでなく、キレイなところもしっかり描かれてて。
そんな作品でした!
コクーンのパンフと、戯曲本を買っちゃった!
年末に上演予定のケラさんの「しびれ雲」も観たいけれど・・・予定が詰まってるから無理かな・・・
ケラリーノ・サンドロビッチさん作演「世界は笑う」を観てきました。
京都劇場でケラさんの作品というのは初めてですね。
私的には近いからうれしいですよ。びわ湖ホールへ行くより近いかも?
昼公演を買ったつもりが夜公演で。
しっかり、夜の京都タワーをパチリ。
この日も、まぁまぁ人は多かったかな。日曜日やしね。
さて、この作品は・・・
昭和30年代初頭の東京・新宿。
敗戦から10年強の月日が流れ、巷に「もはや戦後ではない」というフレーズが飛び交い、“太陽族”と呼ばれる若者の出現など解放感に活気づく人々の一方で、戦争の傷跡から立ち上がれぬ人間がそこかしこに蠢く…。
そんな殺伐と喧騒を背景に、KERAが笑いに取り憑かれた人々の決して喜劇とは言い切れない人間ドラマが描く。
戦前から舞台や映画で人気を博しながらも、時代の流れによる世相の変化と自身の衰え、そして若手の台頭に、内心不安を抱えるベテラン喜劇俳優たち。
新しい笑いを求めながらもままならぬ若手コメディアンたちなど、混沌とした時代を生きる喜劇人と、彼らを取り巻く人々が、高度経済成長前夜の新宿という街で織りなす、哀しくて可笑しい群像劇。(公式HP こちら より)
開演前に流れる音楽がね、懐かしい昭和のCMなんですよ。
知らないのもあったけど、「あっかる~いナショナ~ル・・」とか、「わ、わ、わ~ 輪が三つ・・」とか、ニンマリですよね。
つまり、この時代を描きますよっていう前フリですけど、ほんとにあの時代にいざなってくれますね。
ケラさんの舞台の、何がすごいって、セットと、プロダクションマッピングと、それに合わせた役者さんたちの動きですね。
ほんと、いつもうなります。
今回は特に、3時間を超える舞台で、豪華なセットがいくつも出てくるんですよ。
最初は、昭和30年代の新宿の裏町。古本屋があって、街頭テレビ?が置かれた電気屋さんにブティック、喫茶店。
その次に登場するのは、この作品の舞台でもある「三角座」の劇場。
二幕では、地方の旅館のロビー、ラストが、それほど長くないのに、一幕とは異なる場末の風景になってました。
出演者も豪華。
まさに、商業演劇やなって思う。
瀬戸康史 / 千葉雄大 / 勝地涼 / 伊藤沙莉 / 大倉孝二 / 緒川たまき / 山内圭哉 / マギー / 伊勢志摩 / 廣川三憲 / 神谷圭介 / 犬山イヌコ / 温水洋一 / 山西惇 / ラサール石井 / 銀粉蝶 / 松雪泰子
瀬戸くんの舞台は、ケラさんの「陥没」という作品で初めて観たんやけど、ちょっと衝撃でしたね。
上手いというか、魅力的で。こんな演技ができる人なのねって思いました。
ケラさんにも好かれてるようで、そのあともう一本出てましたね。
映像の人っていうイメージやけど、デビュー当時はD-BOYSでテニスの王子さまとかも出てるし、
最近では「日本歴史」で、三谷幸喜さんの作品にも出てますよね~
演技のうまさだけやなく、お人柄も良さそう~
主人公の田舎から出てきた青年を演じます。
舞台経験が少なめな千葉くんも、なかなか頑張ってました!
一幕の最初のシーンで、ヒロポンを打つところとか、めっちゃリアルやった。
当時の売れない喜劇人は、やってそうですもんね。
ケラさんの作品は群像劇ですが、脇役も豪華で、ほんとに皆さん上手い人が集まってます。
山西さんとか廣川さんは4役か5役?6役?早変わりされてて。
しょっぱなにヤクの売人で登場したオカマのお姉さん、あの山西さんが強烈でした~~
それほど後ろの席でもないのに、オペラグラスでガン見しましたよ~(笑)
喜劇劇団三角座。
結核療養から帰った看板役者、大倉孝さんのやさぐれぶりが、ほんとムカつくくらいで(苦笑)
戦争未亡人の松雪さん演じる初子に片思いのするのが、瀬戸くん演じる新人裏方の彦造。
ヒロポン中毒から脱出した?コント作家志望の俳優・是也が千葉くん。瀬戸くんと兄弟の役。
是也の恋人で踊り子の撫子に伊藤さいりちゃん。どすの利いた?ハスキーボイスやけど、可愛い女子の役です。
撫子の兄、大和に勝地くん。頼りないけど、やっぱりいて欲しいお兄さん。
最初から舞台にいたアコーディオン弾きの傷痍軍人が山内さんと気づくまで時間が長くて。
で、裏切らない演技(オモロなんですよ)。
「三角座」での看板俳優の役も山内さんらしくて(オモロなんです!)
ほんと、贅沢な舞台やな~って思いますね~
いなくてもいいんやないの?っていうような(失礼な!)ラーメン屋のオヤジ役をマギーさん。
この人がまた、いなくてもいい役ではなく、ちゃんと理由のある役柄なんですよ、
それに気づくのが後半。
目先の札束に目がくらんでネコババしようとするのを初子に見つかるのですが、これがこの物語の結末につながるんですね。
無駄な役ではなかった!(当たり前!!)
戦争へ行って戻ってこない夫をずっと待ってる初子を演じる松雪さん、素敵でした。はかなげで~
イヌコさん、ラサール石井さん、安定ですよね。お二人の会話はリアルで。
「あの時のアンタは面白かったよ」
「面白かったかい? だったらそれでもう充分かな。一生面白くないまま死んでいく奴はいっぱいいるんだからさ」
なんか、沁みるセリフです~
ちょっと、ベイジルタウンの時のイヌコ&温水ペアを思い出しましたね。
というか、今回もご出演の温水さん、今回はデリカシーのない、空気の読めない、いや~な男を演じてるんです。
すごいな~としか言いようがないくらいうまいです。イラっとしますもん。
座長(山西さん)の元妻でプロデューサーの銀粉蝶さんがカッコよくて、でもラストは認知症・・・切ない。
現妻の伊勢さんも良かったです。絶妙な居眠り!(そこから悲劇が~)
緒川たまきさんは、今回はコメディエンヌ、天真爛漫な役で、可愛い~!
ストーリーは、そう、ちょっぴりしょっぱい結末。
あ~そうなるんやね、と。
上演時間は、1幕125分、2幕80分。
1幕を観ただけで引き込まれたけど、2幕もあっという間でした。長いって感じなかった。
終わったきも、えっ、終わり? って思うほど、まだ続きがあるんやないの?っていう感じでしたね。
エノケン、ロッパ以降のお笑い・喜劇人の世界を描くというので、もっとエンタメな内容になってるんかなと思ってたけど、そういう世界に生きる人たちの人間ドラマでした。ほんとに。
ケラさんの作品はナンセンスを含め、難解なものも多いけど、今回はわかりやすかったですね。
(ベイジルタウンの女神は、もっとわかりやすかった!)
携帯電話が出てこない話、ってケラさんがおっしゃてたけど、まさに。
どこか欠けてる人たちが、一生懸命生きている。
人間の汚れたとこだけでなく、キレイなところもしっかり描かれてて。
そんな作品でした!
コクーンのパンフと、戯曲本を買っちゃった!
年末に上演予定のケラさんの「しびれ雲」も観たいけれど・・・予定が詰まってるから無理かな・・・