団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

吉田所長を注意

2011-06-09 18:10:08 | 社会
                    吉田所長を注意

                                            2011年6月9日(木)

 東京電力は、福島第一原発の吉田所長に対して、社長が口頭注意をしたということです。
 
 吉田所長は、東電本社とのやりとりで原子炉冷却のための海水注入を中断することで合意しながら、実際には注入を継続し、本社へ報告をしていませんでした。


 このことが分かって開いた記者会見では、東電の副社長は「処分を検討する」と言っていましたが、口頭注意は処分ではありませんから、処分する事案と見なかったということでしょうか。
 いやそうではなく、仮に吉田所長を処分したら、世論から猛反発を受けることを警戒したということでしょう。


 吉田所長の現場の判断は、結果としては正しく、もし、海水注入を停めていたら、格納容器がメルトスルーになっていた可能性があり、その被害は想像するだに恐ろしいことになっていたと思われます。


 吉田所長の処分云々ではなく、今回のことで、真に裁かれるべきは、再臨界が起こることを言ったかどうかを焦点にするような斑目原子力安全委員長であり、総理の顔色を伺い「海水注入をする雰囲気にはない」という趣旨のことを伝えた東電の幹部であり、海水注入について「知らなかった」と言い張る菅総理大臣でしょう。


 斑目委員長は、「私は一体何だったのでしょう。」とボヤいていましたが、この方は、原子力の専門家として又安全委員会の委員長として、海水注入を継続しなければ大変な事態になるということを一番良く知っている立場の人です。なぜ、あれこれ議論するのではなく、海水注入が必要だということを総理に進言しなかったのでしょうか。



 吉田所長を処分しなかったことについては、私は疑問に思っています。
 吉田所長の行ったことは、二つに分けて考える必要があります。
 一つは、海水注入を継続したこと、もう一つはそのことを2か月以上も報告しなかったことです。

 海水注入を継続したことは、称賛されこそすれ、処分を受けるようなことではありません。東電は報奨金を出す必要があるくらいだと思います。(中断していたら、その被害は今の被害より更に大きなものになるであろうことは明らかですから。)

 もう一つの、報告しなかったということはどうでしょうか。吉田所長はTVのインタヴューで「忙しくて報告する暇がなかった」という趣旨のことを言っていましたが、見え透いた「嘘」です。吉田所長は現場の分からない本社の幹部へ報告しても「無駄」だと思ったのでしょう。


 しかし、事故の対策をする上で、また事故の検証をする上で、事実関係を正しく報告することは絶対に必要なことです。
 吉田所長の報告しなかったという行為は、私は十分免職処分に当たると思います。
 東電も筋を通して処分するべきでした。もっとも、事故が一段落してからのことになるでしょうが・・。


 吉田所長のその後の処遇はどうなるのでしょうか。
 私は、政府は三顧の礼をもって、やがて経済産業省から分離される安全保安院の「原発事故危機管理官」として迎えるべきだと思います。


 電力会社の社長を始め並みいる幹部を指導し監督する役割です。






  

 
コメント
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