マツダに是正指導
2009年6月7日(日)
5日付けの朝日新聞の報道によると、
自動車メーカーのマツダが、派遣契約と直接雇用を繰返して労働者派遣法に定められた3年の制限期間を実質的に超えて派遣労働者を受け入れたとして、広島、山口両労働局は3日付けでマツダの本社工場(広島市南区など)と防府工場(山口県防府市)、派遣会社に、こうした雇用をしないよう是正指導した。
ということである。
このことで、マツダが奇妙な弁解をしている。同報道によると、
マツダの若林敬市・グローバル広報企画部長は「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく、法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」と話している。
ということである。
①「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく」と言っているが、人材派遣法に定める3年の期間制限の趣旨を理解していれば、派遣会社に対して「同じ人間だから違法になるのではないか」という問いかけをするのが当然ではないか。→当然派遣しない(受け入れない)という展開になっていたと思われる。
②「法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」とは、奇妙な論理だ。違法はなかったと確信しているのであれば、なぜ堂々とそれを論理立てて主張しないのか。それとも、是正指導を受ける前は適法と思っていたが、指導を受けて違法と分かったのか。それなら、謝罪すべきだろう。
法令遵守は今、まともな会社ならどこの会社でも掲げている企業理念だが、何が違法で何が適法かも分からないようなマツダには、その資格はないだろう。
要は、労働者派遣法の趣旨を理解して企業経営をしようとするのではなく、法の抜け穴を巧みに利用し、労働者を犠牲にして利益を上げようとする「企業理念」だからこのようなことをするのではないか。
私は、5月2日のブログ「メーデー」でこのマツダの派遣問題を書いた。
「「労働者の雇用を守れ」・「派遣切り・雇い止めを許すな」というスローガンは、労働者の闘いにより、実現されることになるだろう。」
今回の是正指導は、元派遣労働者5人が労働局に申し立てていたものであるが、労働者の勇気ある闘いにより、この問題が一歩前進できた。
(2009年7月11日、追記)
7月2日の朝日新聞によると、
マツダは、本社工場と防府工場の製造現場で働く派遣労働者のほぼ全員にあたる約100人を13日から直接雇用する方針を決めた。
ということである。
昨年からの派遣切りのなかで、労働者の闘いが、労働局を動かし、マツダを動かしたということだ。
しかし、この期に及んでも、マツダは不誠実なコメントを出している。
同報道によると、
同社は「指導を受けて点検した結果、(派遣労働の)明確な期間超過は見出せなかったが、指導を重く受け止め、直接雇用の申し入れを行うことにした」としている。
ということだ。
前段の、「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく、法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」と同様、奇妙な論理だ。
マツダとしては、「法律違反はしていない」ということをどうしても言いたいのだろうが、極めて不誠実だ。
やはり、引続き労働者の闘いによるチェックが必要だ。
(2013年3月17日、追記)
マツダの脱法行為が断罪されました。
3月14日、山口地方裁判所は、「(雇用)制度は労働者派遣法に違反する」として、元派遣社員13人を正社員として認め、未払い賃金などの支払いを命ずる判決を言い渡しました。
裁判長は、派遣の終了から次に雇うまでの「クーリング期間」として3か月必要とされている期間を「サポート社員」と称して同じ職場で働かせ続けたことを、「単にクーリング期間を満たすための方便として導入されたのは明らか」と指摘しました。
マツダは、「当社の主張が認められなかったことは遺憾。今後の対応については判決内容を検討したうえで決めたい」とコメントしているということですが、これだけ明らかな脱法行為ですから、御社の社会的地位を危うくするようなことはしない方が良いでしょう。
せっかく、円安、クリーンディーゼルで業績が上向き、株価も300円を突破して明るい兆候がでている時だけにです。
2009年6月7日(日)
5日付けの朝日新聞の報道によると、
自動車メーカーのマツダが、派遣契約と直接雇用を繰返して労働者派遣法に定められた3年の制限期間を実質的に超えて派遣労働者を受け入れたとして、広島、山口両労働局は3日付けでマツダの本社工場(広島市南区など)と防府工場(山口県防府市)、派遣会社に、こうした雇用をしないよう是正指導した。
ということである。
このことで、マツダが奇妙な弁解をしている。同報道によると、
マツダの若林敬市・グローバル広報企画部長は「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく、法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」と話している。
ということである。
①「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく」と言っているが、人材派遣法に定める3年の期間制限の趣旨を理解していれば、派遣会社に対して「同じ人間だから違法になるのではないか」という問いかけをするのが当然ではないか。→当然派遣しない(受け入れない)という展開になっていたと思われる。
②「法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」とは、奇妙な論理だ。違法はなかったと確信しているのであれば、なぜ堂々とそれを論理立てて主張しないのか。それとも、是正指導を受ける前は適法と思っていたが、指導を受けて違法と分かったのか。それなら、謝罪すべきだろう。
法令遵守は今、まともな会社ならどこの会社でも掲げている企業理念だが、何が違法で何が適法かも分からないようなマツダには、その資格はないだろう。
要は、労働者派遣法の趣旨を理解して企業経営をしようとするのではなく、法の抜け穴を巧みに利用し、労働者を犠牲にして利益を上げようとする「企業理念」だからこのようなことをするのではないか。
私は、5月2日のブログ「メーデー」でこのマツダの派遣問題を書いた。
「「労働者の雇用を守れ」・「派遣切り・雇い止めを許すな」というスローガンは、労働者の闘いにより、実現されることになるだろう。」
今回の是正指導は、元派遣労働者5人が労働局に申し立てていたものであるが、労働者の勇気ある闘いにより、この問題が一歩前進できた。
(2009年7月11日、追記)
7月2日の朝日新聞によると、
マツダは、本社工場と防府工場の製造現場で働く派遣労働者のほぼ全員にあたる約100人を13日から直接雇用する方針を決めた。
ということである。
昨年からの派遣切りのなかで、労働者の闘いが、労働局を動かし、マツダを動かしたということだ。
しかし、この期に及んでも、マツダは不誠実なコメントを出している。
同報道によると、
同社は「指導を受けて点検した結果、(派遣労働の)明確な期間超過は見出せなかったが、指導を重く受け止め、直接雇用の申し入れを行うことにした」としている。
ということだ。
前段の、「派遣会社に労働者を指名して再派遣をお願いしたわけでもなく、法律違反はなかったと理解しているが、指導は真摯に受け止める」と同様、奇妙な論理だ。
マツダとしては、「法律違反はしていない」ということをどうしても言いたいのだろうが、極めて不誠実だ。
やはり、引続き労働者の闘いによるチェックが必要だ。
(2013年3月17日、追記)
マツダの脱法行為が断罪されました。
3月14日、山口地方裁判所は、「(雇用)制度は労働者派遣法に違反する」として、元派遣社員13人を正社員として認め、未払い賃金などの支払いを命ずる判決を言い渡しました。
裁判長は、派遣の終了から次に雇うまでの「クーリング期間」として3か月必要とされている期間を「サポート社員」と称して同じ職場で働かせ続けたことを、「単にクーリング期間を満たすための方便として導入されたのは明らか」と指摘しました。
マツダは、「当社の主張が認められなかったことは遺憾。今後の対応については判決内容を検討したうえで決めたい」とコメントしているということですが、これだけ明らかな脱法行為ですから、御社の社会的地位を危うくするようなことはしない方が良いでしょう。
せっかく、円安、クリーンディーゼルで業績が上向き、株価も300円を突破して明るい兆候がでている時だけにです。