水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

アキちゃんはナウシカだ

2013年05月22日 | 日々のあれこれ

 古典演習の時間に「増鏡」の一節を読む。
 鎌倉幕府打倒を謀っていた後鳥羽上皇の動きを鎌倉側が察知し、時の執権北条義時が京都に攻め上ることを決意する場面である。弟の時房と息子の泰時が大将とする大群を仕立て、出陣前に息子に話しかける。
 「院のお気持ちがどうあれ、われわれは朝廷に対しやましい心はない。どのような戦いになろうとも、それは我らが運命じゃ。ただし、板東武士として恥ずかしい戦いだけはするでない。泰時、決して敵に後ろをみせてはならぬぞ。万が一打ち勝つことができたなら、再び足柄山を越えてもどってこい。」
 「父上の仰せられること、しかと承りました。立派に死んでまいります」
と、二人は涙にくれるのであった。
 義時といえば、松平健なんだよ。それでお姉さんの政子が岩下志麻で、頼朝は石坂浩二ね。
 ええ? なんの話かわかんないって? まじで。
 知っているわけないのである。
 大河ドラマ「草燃える」は、生徒さんたちが生まれる20年も前になるのかな。
 懐かしくなったので、「草燃える」をwikiってみたら、懐かしい名前がたくさん出てくる。
 おお、義時の息子泰時は尾美としのりさんではないか。
 「転校生」でメジャーになる前だっけ。
 そして今や「あまちゃん」アキのお父さんだ。
 平家物語で義経が出てくれば、タッキーではなく国広富之を思い浮かべてしまうのは昭和な人だ。
 クドカンさんも年はけっこう下のはずだが、昭和な感覚がふんだんにあらわれるところが、「あまちゃん」を録画してまで観てる要因であろう。
 キョンキョンの歌う姿なんて、ひさしぶりだったなあ。美保純さんも、とても年上とは思えない。
 昭和な感覚があるなら、「あまちゃん」のアキちゃんは、ナウシカではないだろうか。
 「中学生円山」風に「あまアキ」とよんでみると「ナウシカ」と少し近い(は?)。
 そう思いはじめると、空を飛ぶナウシカと、海にもぐるアキの姿が、その衣装まで含めて驚くほど類似していることに気付く。おお顔まで似てきた。ウニはウォームだ。(50歳を越えて妄想のとまらない国語教師水持になってきた)。
 閉塞した大人社会を打破するのは古来少女の仕事であった。
 ジャンヌダルクしかり、いやおそらく卑弥呼までさかのぼっても。
 取り立てて現代的な産業のない北三陸の地に降り立った少女は、新しき恵みをもたらすヒロインとなる。
 この先の展開には、アキちゃんが東京に出て行く東京編が用意されているという。
 大国トルメキアに出征するナウシカだ。
 生徒さんに「増鏡」の問題を解いてもらいながら、「朝ドラが成功する度合いは、主人公のナウシカ度合いに比例する」という仮説を思い立ったが、過去のは観てないので発展させようがなかった。

コメント (2)
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