学年だより「この先(5)」
「素の自分」「ありのままの姿」を大切にし続けることは、丸腰で闘いの場に出ていこうとすることを意味する。
自分なりに戦闘力を蓄えたつつ、自分の闘える場を冷静に見つけようとしなければならない。
自分の闘える場を探すことをポジショニングという。
~ ポジショニングというのは絶対的な戦闘力ではなく、相対的な戦闘力です。戦闘力でずば抜けていなくても、うまいポジションをとって、相対的に強くなれば、勝てる場合があります。そして勝ちを続けることで、戦闘力自体も磨いていくことができます。
より戦闘力の高い武器に憧れているだけの、意識の高い(笑)状態ではダメです。戦闘力の高い武器の評論をして満足している場合ではありません。みなさんが行うべきことは、まずは参戦できる最低限の武器を謙虚に磨くこと(つまり、英語と多少の実務経験)。そして、常識にとらわれずに、勝てる見込みのあるポジションをとること。そして、そこで仕事を見つけたら、そのなかでより自分を磨いていくこと。
できるのはこの三つだけです。王道はありません。 (大石哲之『英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか』PHP新書) ~
ただし、みんなは貴重な武器を、すでに相当身につけてきている。
明るくあいさつできる態度、細かい事務仕事にも耐えられる力、清潔な身なり、健康な身体、素直に取り組もうとする姿勢 … 。
今の段階でこれらが欠けている場合、大学以降に身につけていくのは実は難しい。
みなさんの持つ人間的資源は大変な武器になる。ぶっちゃけ、大学の格差的なものを簡単にひっくり返す。これらの武器にさらに磨きをかけ、さらに会うべき人に自分から会いにいけるような学生生活を送ることができたら、鬼に金棒だ。
~ 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合せと呼びます (中島みゆき「糸」) ~
みなさんが、この先たくさんの人と出会い、仕合わせな人生を過ごせるようにと祈っています。
三年間ありがとうございました。