水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

大合格(2)

2017年04月10日 | 学年だよりなど

 

  学年だより「大合格(2)」


 人生における成功とは何か。
 最後の大会でインターハイ出場を決めること、目標の大学に見事合格すること、素敵な彼女とリア充の日々を過ごすこと、就活を勝ち抜き誰もがうらやむような企業に就職すること、プロジェクトリーダーに抜擢されて成果をあげ一気に出世すること … 。
 Jリーガーになって活躍しプレミアリーグから声がかかる、バンドでメジャーデビューし武道館ワンマンをSOLD OUTする、起業した会社が年商10億を越えヒルズに居をかまえる、希ちゃんと結婚する … 。「成功」の具体例は、こういうイメージだろうか。
 それが叶うならば、どれも人生におけるすばらしい一場面だ。
 では、成功したら、どうなるのか。
 目標を達成した、夢が叶ったと悦びはするだろう。で、どうする?
 満足したからといって、その余韻に浸りながら、この世から旅立っていくわけにもいかない。
 実際に成功した人はどうしているのかをイメージしてみるといい。
 ほとんどの成功者は、そこをゴールとは考えない。
 自分はまだまだだ、成功なんてほど遠いと思っているくらいの人が、むしろ多い。
 一般人から見れば大成功と思われるような結果を手にしていても、そこで満足するような人ではないからこそ、その場所に行けたのだ。
 もっと単純な例にしてみよう。インターハイの100メートルで高校新記録を出して優勝したら、その選手は練習しなくなるだろうか。模試で全国一番とったら、もう勉強はしないだろうか。
 おそらく他の誰よりもさらにトレーニングを積んだり、勉強の質をあげようとし続けるにちがいない。そういう人だから、その結果を手にできたのだ。
 「成功を成功と考えない人は成功できる」というパラドックスがそこにある。
 だとしたら、別に成功を求めなくてもいいではないか。
 成功者は、何が楽しいのか。おそらく、結果そのものよりも、そこにいたるまでに自分が積み上げてきたことの自信、工夫を重ね努力してきた中身の濃い時間、それをなしえた自分が一回り大きくなった実感といったものに、充実感を覚えるのではないだろうか。


 ~ 夢だったお笑い芸人になって、テレビで活躍する今になっても、いろんなジレンマや悩みに直面することがあるなあって。
 たとえば、「もっと笑いをとるにはどうしたらいい~」「憧れのあのタレントさんみたいに活躍できるようにはどうしたらいい~」とかね。
「こうなりたい!」「何かを手に入れたい!」
 って気持ちって、人生のステージは変わっても、常に変わらずに心の中に湧いてくるものなんだよね。  (中田敦彦『大合格』KADOKAWA ~

 

 成功の反対語は、実は失敗ではなく、成長だ。

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