水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

小論文の書き方(3)

2020年09月29日 | 国語のお勉強
 与えられた課題文は、「現代文」として読まなければならない。
 まずは現代文の試験問題がそこにあるのだと思おう。
 現代の日本を論じた評論文としてまず読んで、筆者の言いたいことをつかもう。
 そこには必ず現代の日本に対する批判が込められている。
 現代日本の政治、経済、学問、人々の暮らし、芸術のあり方、環境問題、医療問題、教育問題、超高齢社会……。
 様々なジャンルでさまざまな内容が語られている。
 語ったということは、批判したということだ。
 そうでなければ、その文章が書かれる意味がない。
 「ここに書きおいたことは、他の誰もが言わない自分の意見だ、ぜひ読んでほしい」という悲痛な声が聞こえるはずだ。

 その悲痛な思いはちょっとした言葉の端々に自ずとあらわれる。
 「~しかない」「~と言わざるを得ない」「私はそう考える」「~のである」「~すぎない」「必ず~だ」「~ではないだろうか」……。
 これらは、すべて悲痛な叫びなので、チェックしながら読もう。
 「~」の部分が言いたいこと。
 言いたいことは、繰り返し述べられる。
 「つまり~」「言わば~」「~ということだ」をチェックしよう、同じ意味の言葉は○で囲んでおこう。
 言いたいことが、具体例が示される。
 「たとえば」ときたら、具体例。「たとえば」の前は言いたいこと。
 言いたいことは、その理由が述べられる。
 「なぜなら」とあったら理由。「なぜなら」の前は言いたいこと。
 言いたいことは、比較される。対比される。
 「しかし」「~ではなく」「~よりも」「むしろ~」をチェックしよう。「ではなく」の後ろが言いたいこと。

 けっきょく、評論の読み方の技術を書いただけになってしまったが、まずここからだ。
 これができない人が、文の練習しても正直意味がないと言わざるを得ない(←お、つまり?)。
コメント
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