今日も、東海地方では多治見が最高気温だった。
多治見は、東海地方の最高気温を出す場所として、全国的に有名になっている。
なぜ多治見が暑いのか。
もともとここは盆地なので、甲府盆地がそうであるように、暑くなって当然。
でも周囲の似たような盆地は、多治見ほど暑くならない。
多治見が地域の最高気温を出す時は、たいてい西風になっている時だ。
これは濃尾平野からの西風が多治見と愛知の境である内津峠を越える際、フェーンとなり昇温するためであろう。
また、名古屋のヒートアイランドで暖められた空気が、伊勢湾からの海風で運ばれて庄内川=土岐川(岐阜側の名)の谷に沿って多治見に流れ込むことも考えられる。
そもそも多治見の東の岐阜市が以前はこの地域トップで暑かった。
その岐阜が暑い理由は、はやり西風の時で、
これは風上の滋賀の空気(風の拭き出し口は琵琶湖)が関ヶ原の逢坂の関を越えてフェーンとして昇温するためといわれていた。
確かに、米原、岐阜、多治見がともに西風の時、気温は米原<岐阜<多治見となり、山向うの風上ほど低い。
かように、多治見は岐阜や名古屋より暑くなる地形になっている。
ところが、多治見が岐阜より暑くなったのは、ここ数年からだ。
それ以前は岐阜の方が暑かった。
地形は変わっていないのに。
なぜ多治見は”最近”こんなに暑くなったのか。
これが正しい問いだ。
この疑問に答えたのが、吉田信夫氏を代表とする「多治見の気温をはかる会」で、
その研究報告が、日本気象学会の雑誌「天気」の2013年1月号に掲載されている。
それによれば、多治見市街の都市化によって、水田が減り、いわば名古屋や岐阜と同じ地面条件になったため、
地形の効果などが顕在化された(この部分は私の解釈)ということだ。
いいかえれば地形条件だけでは、多治見はこうも暑くならなかった。
コンクリとアスファルトの代りに森と水が復活すれば、もとの暑すぎない多治見に戻れるはず。
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