goo

山本勘助とは何者か 江宮隆之

心に決めている訳ではないが、毎年、大河ドラマ関連の本を2,3冊読むようになった。今年は山本勘助だが、本書は、一貫して「山本勘助は実在した」という立場、しかも「軽輩ではなかった」という立場で書かれている。書かれている内容は、新書としては大変幅広く、勘助が忍者だったという説があること、勘助の時代の「城取り」とは「築城」のことで、かれがその名手だったということ、などが紹介されていて面白かった。井上靖、海音寺潮五郎、新田次郎、松本清張らの山本勘助に関するスタンスなども手際よく紹介されていて、これらの作家の作品を読む際の手引き書にもなっている。本書で最も面白かったのは、実在したかどうかで議論がある彼だが、山本五十六、吉田松陰、市川団十郎、塚原卜伝といった実に多くの歴史上の人々と強い関わりをもっていたことがわかる点である。(「山本勘助とは何者か」江宮隆之、祥伝社新書)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )