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神様のカルテ 夏川草介

本書を読むと、世の中のお医者さんに対する感謝や敬意の気持ちが高まらざるを得ない。医療行為に忙殺されるお医者さんが何を考えているのか、何に悩んでいるのか、そうしたことをあまり考えたこともなかったことが申し訳なく思えてくる。主人公の口調が時代がかっており、彼の妻との会話にリアリティがないことに当初は違和感を覚えたが、それも深刻なリアリティを中和するための工夫だと言うことが次第に判ってきた。話題になっている「泣かせどころ」と思われる箇所をちょうど電車のなかで読むこととなり、慌てて本から目を離してしまった。出てくる主人公以外のキャラクターも謎が多くて魅力的だ。(「神様のカルテ」夏川草介、小学館)
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