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叫びと祈り 梓崎優
綾辻行人が大絶賛したという新人作家のデビュー作。書評誌でも「まれに見る大傑作」と最高級の賛辞を得ている本書だが、まだブレイクはしていないようだ。書評誌に「これほどまでの傑作を大々的に宣伝しないのは出版社の怠慢」と書かれているが、読んでみると、確かに新人とは思えない拡張高い文章、奇想天外のストーリーで、書評誌の意見が全く誇張でないような気がしてくる。
内容は、世界を旅するジャーナリストが、サハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾンといった世界各地で出会う謎を解いていくという連作集だが、それぞれの土地の人々の内面に深く思いを巡らした様な「謎の答え」が、単なる「意外性」を狙ったものでないものとしてずしりと心に響く。しかも、連作の最後の短編によって、本書を、単なる「傑作短編集」でなく、1つの大きな物語にしてしまっている別の「意外性」に心底驚かされる。全く作風も内容も違うが、昨年大ブレイクした柳広司の「ジョーカー・ゲーム」を思わせる作品全体に漂う虚無感のようなものが本作品にも感じられる。こうした傑作を自信を持って世に問わない出版社の不甲斐なさを嘆く書評者の気持ちが良く判る。(「叫びと祈り」梓崎優、東京創元社)
内容は、世界を旅するジャーナリストが、サハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾンといった世界各地で出会う謎を解いていくという連作集だが、それぞれの土地の人々の内面に深く思いを巡らした様な「謎の答え」が、単なる「意外性」を狙ったものでないものとしてずしりと心に響く。しかも、連作の最後の短編によって、本書を、単なる「傑作短編集」でなく、1つの大きな物語にしてしまっている別の「意外性」に心底驚かされる。全く作風も内容も違うが、昨年大ブレイクした柳広司の「ジョーカー・ゲーム」を思わせる作品全体に漂う虚無感のようなものが本作品にも感じられる。こうした傑作を自信を持って世に問わない出版社の不甲斐なさを嘆く書評者の気持ちが良く判る。(「叫びと祈り」梓崎優、東京創元社)
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