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天狗風 宮部みゆき

「霊験お初捕物控」シリーズの第2弾。お初が挑む怪奇現象は、前作以上に厄介で大きな相手だが、自分に与えられた能力に対するお初自身の自覚が前作よりも強くなり、お初を補佐する周囲の人たちのチームプレーも良くなっており、彼らが怪奇現象へ立ち向かう様はますます活劇的な要素を増していて楽しめる。作品全体から情念のようなものが立ちのぼっているのが感じられる怖い話である。この作品が書かれたのが20年近く前でその後続編が書かれていないことを考えると3作目を期待するのは無理かもしれないが、お初やワトソン役の右京之介のその後、おばあさん、おじいさんになった2人の話など、面白いのではないかと思う。(「天狗風」 宮部みゆき、講談社文庫)

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