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夢幻花 東野圭吾

著者の最新刊。ある花を巡る2つの家族の物語だが、少しずつ2つの家族の接点が明らかになる一方、花の謎は読み進めるうちに深まるばかり。これがどのように収束するのか読みながら気になるところだが、最後には全ての謎が明らかになる。そのあたりは流石だと思うが、解明された謎の全体像は、やや無理があるかなというところのぎりぎりという感じだ。良く言えば、かなり思い切ったアイデアを使った内容、単純に楽しめるガリレオシリーズでも、抒情豊かな加賀恭一郎シーリーズでもない、もう1つの著者の魅力といったところだろう。但しあまりこのような1つのアイデアに依存した作品ばかりでは、著者の魅力が十分に楽しめない気がした。(「夢幻花」 東野圭吾、PHP研究所)

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