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秘剣こいわらい 松宮宏

いつも行っている横浜の本屋さんで、一押しの扱いで陳列されていた本書。藤沢周平の名作を意識したような題名で時代小説なのかと思ったが、パラパラとめくった感じでは時代小説ではないらしい。表紙の絵も現代風の人物が描かれている。そんなところが面白かったので、読んでみたのだが、これが大変面白かった。内容としては、京都を舞台にして不思議なバトルが繰り広げられるということで、「鴨川ホルモー」や「夜は短し恋せよ乙女」を思わせるような話だが、その不思議さが全く違うし、そもそもこの小説の原案が書かれたのが2000年で、万城目学や森見登美彦が作家デビューする前のことだというから驚きだ。既に第2作目が刊行されていて、第3作目も本にはなっていないが完成しているということなので、今から読むのが楽しみだ。(「秘剣こいわらい」 松宮宏、講談社文庫)

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