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ジヴェルニーの食卓 原田マハ

前作「楽園のキャンバス」でようやく自分の書きたい小説を書けるようになったということかもしれないが、本書を読むと、著者にとってこの分野の本が特別なものであることがよく判る。近代絵画の巨匠達と深くかかわりを持つ主人公の語りという体裁で、その巨匠達の創作のあり方や有名な作品のイメージを膨らませるようなエピソードが紹介されていく短編集。史実を踏まえながら、そうであってもおかしくないというぎりぎりの線まで想像を働かせているのだろう。まさに虚実皮膜の世界を楽しませてくれる。(「ジヴェルニーの食卓」 原田マハ、集英社)

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