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風味絶佳 山田詠美

「風味絶佳」というとグリコのパッケージを思い出すのだが、景作者が題名に込めた意味を全く知らずに読み始めて、だんだんそういうことかと判ってきたところで、急に本書の良さが判ったような気がした。同時にグリコのキャッチフレーズの正しい意味も何となく判ったような気がした。子どものお菓子の謳い文句ながら、子どもを子ども扱いしないことの意思表明でもあるのだろう。独特の歯切れのよい文章も良いし、登場人物達のある意味で周囲に惑わされずに生きていこうとする潔さも素敵だ。小品だがすがすがしい読後感に浸れる1冊だった。(「風味絶佳」 山田詠美、文春文庫)

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