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習近平の密約 加藤隆則

本書は、初心者向けの啓蒙書という感じながら、驚くほど中身の濃い情報満載の1冊だ。様々な中国国内の政治的な駆け引きが、様々な角度から分析・描写されていて、読んでいて頭が混乱してしまう程だ。こうしたジャンルを専門に研究している学者というのはさぞかし大変だろうなぁと思う。さらに、中国上層部の政治的な駆け引きの複雑さは、当事者にとっても同じことのようで、彼ら自身も、あることの決断がどちらに転ぶか判らないまま、直観のようなもので動いているのではないかとさえ思えるようなところがあり、大変面白かった。中国において、文革、天安門事件の扱いの難しさも改めて確認できたような気がする。(「習近平の密約」 加藤隆則、文春新書)

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