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七色の毒 中山七里

いずれも題名に「色」が入っている7つの短編が収録された短編集。事件を解決に導くのは全て同じ主人公の刑事だが、内容もそれなりにバラエティに富んでいて面白い。いずれも、事件の表層の後ろにもう1つの真相、悪意のようなものが隠れているという構図で、何だか世の中悪人ばかりだなぁという感じだ。やや無理筋の話もあるが、総じて今の社会事情をうまく反映させた作品で、少しひねったストーリーで身近にある醜い部分をクローズアップさせてくれる。身近なだけに、読んでいてその怖さが倍増される。(「七色の毒」 中山七里、角川書店)

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