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祈りの幕が降りる時 東野圭吾

著者の本が出るスピードは、予想を上回る速さだ。そのせいだと思うが、著者の新刊を本屋さんで見つけるときはいつも不意打ちのように突然だ。著者の本は新刊を見つけたらすぐに入手するので、それはそれで良いのかもしれないし、ある意味それが本屋さんに行く楽しみの一つにもなっている。本書は加賀恭一郎シリーズの最新刊。加賀の過去と未来に深く関係するストーリーの面白さ、丹念な捜査によって少しずつ真相に近づいていくスリル、日本橋を中心とする下町の風情などが織り交ざって見事な作品になっている。ある目的を達成して警視庁に戻ることになった主人公の次の展開が本当に楽しみだ。予想を上回るスピードの新刊でありながらここまで練られた作品だということに驚きを禁じえない。(「祈りの幕が降りる時」 東野圭吾、講談社)

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