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笑う警官 マイ・シューヴァル

1960年代の「警察小説」というジャンルを打ち立てた記念碑的なシリーズの1冊。スウェーデン語からの直訳(新訳)という触れ込みだったので、昔読んだような気もしたが再読してみた。昔読んだ時の記憶はほとんどなく、昔はこういう小説はあまり好きではなかったということを思い出した。世に言う名作クロフツの「樽」等も同じような印象で、取り立てて面白いと思わなかったのを覚えている。今読むと、スウェーデンの各地方の軋轢などは依然として知識不足で入り込めない部分はあるものの、複数の刑事が地道な捜査によって少しずつ真実に近づいていく様は、地味だが本当にスリリングだ。この新訳も、最近の北欧ミステリーブームの一環だろうが、シリーズで刊行されていくようで、今後が楽しみだ。(「笑う警官」 マイ・シューヴァル、角川文庫)

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