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手入れという思想 養老孟司

著者が様々なところで行った講演内容を1冊にまとめた本書。色々な場所、色々なテーマでの講演が収録されているが、基本的な論旨にはかなり共通点が多いし、こうして文章にしてしまうとそれが「内容がだぶっている」と思えてしまうのが残念だが、多分耳から聞く講演では、そうした事はあまり気にならないのだろうと思う。そのあたりを斟酌して、文字にするときにそうした重複をカットしてしまうのか、講演そのものの臨場感を残すために手直しを最小限にとどめるのかの選択は難しいと思うが、本書の場合は、内容が思考実験のようなものに近いので、もう少し整理した方が良かったのではないかと思われた。(「手入れという思想」 養老孟司、新潮文庫)

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