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原稿零枚日記 小川洋子

日記形式の長編小説という変わったスタイルの小説とのことで、興味深く読んだ。冒頭から、どこまでが現実でどこからがノンフィクションなのか判らない不思議な世界に入り込んでいく感じで、この先どうなっていくのか見当もつかない。急に現実に引き戻されたり、明らかに妄想の世界に引き込まれたりしながら、不思議な感覚のまま話は進んでいく。日記風ということで、各章ごとに月の名前がつけられているが、それも現実とは思えない。その一方で、各章の内容が微妙に繋がっていたりする。何を意図した形式なのか良く分からないまま話は終わるが、不思議なことに読み終えた後の満足感は大きい。(「原稿零枚日記」 小川洋子、集英社文庫)

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