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自殺予定日 秋吉理香子

「パワースポット」「風水」「健康グルメ」「学校生活での友人関係の悩み」など今どきの若者の趣向や関心事を強く意識した本だが、誰が読んでも気軽に楽しめる感じのミステリー。題名や装丁からしてかなり暗くて救いのない話かもしれないと思いながら読み始めたが、それは杞憂だった。、ミステリーといっても、結末はこれしかないという着地だが、その分安心して読めるし、最後の数ペ-ジのどんでん返しはこの程度のミステリーと高を括ったところで明かされるので、なかなかに衝撃的だ。ところどころに解説が入り各章の題名にもなっている「六曜」の薀蓄もなかなか面白い工夫だ。ネットで検索してもまだ数編しか著書がないので、新人作家という部類に入るのだろうが、この作家の書いた大人向けと思われる本を1冊見つけた。次に読むとしたらこれだなと感じた。(「自殺予定日」 秋吉理香子、東京創元社)

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