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ランクA病院の愉悦 海堂尊

作者の本は、バチスタシリーズも終わってしまったし、AI関係の小説や解説書もだいぶ読んで少し飽きてきてしまったしで、新刊を見かけても何となく手に取らなくなってしまっていた。本屋さんで文庫コーナーの本書を見た時、文庫になっているのに見たことのない題名だったので、不思議に思い裏表紙の解説を読むと、何となく今までの作品とは違う路線の内容である気がして、とりあえず読んでみることにした。本書は、著者の本としては珍しい短編集だが、読んでみてどれも大変面白かった。特に、最初の「健康優良成人プロジェクト」、最後の「ランクA病院」の2編は、現在の医療に関する問題点を鋭く提示する傑作で、久しぶりに著者の本を満喫した。それぞれのテーマが色々に発展しそうなものばかりで、読後、また著者の本で面白そうなものがあったら読んでみようと思わせる一冊だった。(「ランクA病院の愉悦」 海堂尊、新潮文庫)

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