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古典名作・本の雑誌 本の雑誌編集部

毎月愛読している書評誌の別冊で、夫々のジャンルについて一人の選者が古典的名作と考えるオールタイムベスト20の作品について解説する書評集。ジャンルによっては半分以上読んだというものもあれば、ほとんど読んだことがないというジャンルもある。また、直ぐに読みたくなるという訳ではないが、リタイアして時間ができたら読んでみたいと思う作品がいくつも見つかった。それこそ何千何万という作品のなかから選者が個人的に選ぶベスト20作品ということなので、どうしても選者の好みが前面に出るのはやむを得ない。逆に「自分の好みとは違うが一般的には名作なので入れておく」という中途半端なことをされると、こちらとして少し腹が立つ。書評というのは、それを書いた著者への信頼関係の上に成り立っていて、著者が持っているバイアスも含めて楽しみ、参考にするものだと思う。選者には思いっきり自分を主張してもらい、それをどう受け止めるかは読み手に任せてもらう、それが本来の書評と読者の関係だろう。その点でいうと、本書は、自己主張を目いっぱいしてくれていて気持ちが良い選者と、無難に学校の推薦図書のようなラインアップしかしない選者が半々といったところ。今度こういう企画があったら、選者を各ジャンル1人ではなく、複数にして「独自性」を求めるような体裁にして欲しいなぁと感じた。(「古典名作・本の雑誌」 本の雑誌編集部)

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