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猫島ハウスの騒動 若竹七海

著者の昔の作品は、簡単に入手できる作品はかなり読みつくしてしまっていて、まだ読んでいない作品は、ネットで調べても「絶版」「在庫なし」と表示されるものばかりになってしまった。それでも時々検索するとそれまで「在庫なし」だった作品が「在庫あり」になっている事がある。本書もずっと「在庫なし」だったのが最近「在庫あり」と表示され、やっと購入できた1冊。どういう理由で「在庫あり」になったのか、出版業界の事情はよく判らない。もしかすると、作者の最近の作品が話題になったのでたくさん「お気に入りリスト」に登録され、その情報が重版を促したということなのだろうか。個人情報的には少し怖い面もあるが、ネットを通じて世の中の関心の度合いが測られて、それで入手しにくい本が入手できるようになったり、埋もれていた作品が脚光を浴びるようなことになったのだとすれば、それはそれで嬉しいし、出版業界にとっても良いことだと思う。本書の内容は、著者らしい伏線一杯のコージーミステリーの典型のような作品。驚くような意外性はないが、読めただけで嬉しい。(「猫島ハウスの騒動」 若竹七海、光文社文庫)

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