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私のことはほっといてください 北大路公子

著者の単行本になっている作品はほぼ全て読んでいるはずがだ、本書は明らかに著者のベストONEの面白さだ。これまで通りの脱力系のエッセイという体裁は同じだが、この本に収められているのは、エッセイと小説が融合した今までに読んだことのないような文章だ。特にカッパの話や白熊の話は、超絶技巧の文章で、恐らく何度読んでも面白いだろう。実際、河童の話は直ぐにもう一度読み直したが、なんでこんな文章が書けるのか不思議なくらいに面白い。ものぐさな著者と北海道の冬との延々と続く闘いの話だけでも十分にファンになってしまったのだが、本書を読んでますます大ファンになった。(「私のことはほっといてください」 北王路公子、PHP文芸文庫)

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