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水鏡推理6 松岡圭祐

今回の作品は、日本社会の大きな課題である「過労死」を真正面から取り上げた内容。働き方改革の旗振り役であるべき霞ヶ関の苛酷な実態を浮き彫りにしつつ、自分の職務に懸命に取り組む主人公の姿が描かれている。私は出向で2年間霞ヶ関で勤務していたが、その時にも「月の残業300時間」ということが現実にあった。本書を読むと、それから30年たった今も全く変わらない状況があることがわかり、暗澹たる思いだ。本書は、びっくりする仕掛けが満載で、私は少なくとも4回びっくりした。本シリーズはますます好調だ。(「水鏡推理6)」 松岡圭祐、講談社文庫)

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