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5まで数える 松崎有理

題名だけを見て購入、内容をよく確かめずになんとなく「数学が絡んだミステリー短編集」だと思い込んで読み始めたところ、最初の作品で「実験医」という不思議な職業の主人公が登場、本書が近未来SFだと判ってビックリした。動物保護の精神が行き過ぎて動物実験が出来なくなってしまった未来、怪しげなオカルトブームが蔓延する未来など、ひょっとしたらこうした未来もあるかもしれないと思うような話が並んでいる。たわいのない話と言えばたわいのない話だが、作者が1から作り上げた世界ではないので、最近SFが苦手という感じになってしまった自分にも抵抗なく物語を楽しむことができた。(「5まで数える」 松崎有理、筑摩書房)

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