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ぼくのミステリな日常 若竹七海

ネットで検索して「絶版」「在庫なし」などとなっていた未読の著者の本が、突然3冊「在庫あり」に変わった。ここ1年くらいの静かなブームで、重版になったのだろうか。とにかくファンには有難いことだ。まだ「絶版」「在庫なし」で読めない作品が幾つかあるので、それらもそういう形で入手できるようになると嬉しいのだが。本書はそうして入手した3冊の中の1冊だが、どうやら著者のデビュー作らしい。どんな作品で著者が世に出てきたのか興味深々で読み始めた。かなり短めの短編が10以上収められた短編集だが、ちょっとした日常のミステリー、謎が最後まで解決しない怪談じみた話など色々なバリエーションの作品が並んでいて、主人公以外の人物が何回も登場したりする。そんな感じで、なんとなくまとまりのある連作短編集ということかと思っていたら、最後に全ての話がつながって驚いた。日常の謎や怪談話にも全体の中で大きな役割があったことが判明、さらに最後にもう一度どんでん返しがあり、その構成のすごさにも驚かされた。本作を読んで多くの人々がすごい新人が現れたと思ったことは間違いないだろう。(「ぼくのミステリな日常」 若竹七海、創元推理文庫)

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