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宗教国家アメリカの不思議な論理 森本あんり

著者の「反知性主義」という題名の面白そうな本を見つけたので購入しようと思ったら、同じような内容でもっと初歩的な感じの新書が出ていることを知り、その新書である本書から読むことにした。本書は、アメリカという国家を社会学的に論じた解説書だが、刊行されたばかりだけあって、多くの部分がトランプ政権誕生の背後にあるアメリカ社会の深層心理や思考的傾向を語ってくれている。著者の主要な論点は「富と成功」「反知性主義」という2つのキーワードだ。本書は、この2つのキーワードを元にトランプ政権誕生がアメリカの歴史の中で特段異常な事態ではないことを解き明かしてくれる。ここで語られている考察は、これから日本がトランプ大統領のアメリカとどう向き合っていくべきかを示唆しているし、日本にも同じようなポピュリズムの波が押し寄せていることへの警告にも聞こえる。色々な意味で示唆に富む一冊だった。(「宗教国家アメリカの不思議な論理」 森本あんり、NHK出版)

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