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錯覚の科学 クリストファー・チャプリス

ずっと前から機会があったら読みたいと思っていて、ネットで購入した1冊。「錯覚」という題名から、つい「視覚的な錯覚」について書かれているのかと思っていたのだが、宅配便で届いた本書をみたら、全く違う内容だった。本書では、注意力(あることに集中していると他が見えなくなる)・記憶力(記憶は塗り替えられる)・自信・知識(自信や知識はかえって見誤らせる)・原因(原因と結果を取り違える、パターンを認識しがち)・可能性(検証不能な俗説)という6つの視点から、様々な事例や研究を織り交ぜながら、錯覚という現象を解き明かしていく。冒頭の「ゴリラの実験」は、TVで紹介されているのを見たことがあるが、TVでは紹介されていなかった色々なパターンの実験を紹介して、そこから何が言えるのかを追求していくところが流石研究者という感じだ。また、「スマホ運転はなぜ危険なのか(なぜ助手席の人との会話よりも危険なのか」といった付随的な話も目からうろこの面白さだし、最後の章の「サブリミナル効果は全くの俗説」という話には驚かされた。(「錯覚の科学」 クリストファー・チャプリス、文春文庫) 

 

 

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