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古城ゲーム ウルズラ・ボツナンスキ

日本の「本格ミステリー派」を想起させる題名で、表紙裏の解説を読むと「オーストリアの人里離れた古城を舞台に、外部との連絡を絶たれた集団に襲いかかる連続殺人事件」とのこと。まさにの外国版「本格ミステリー」だ。読んでみると、それは良い意味で裏切られた。本書のストーリーは、本格派というよりも、ロールプレイングゲームの実写版に近い。登場人物も、現実世界とファンタジー世界のどちらにいるのか迷いながら行動しているし、事件そのものもそれが現実なのかトリックなのか最後まで判然としないままだ。最後の結末はなるほどということで納得。なかなか面白い体験をさせてくれる一冊だった。(「古城ゲーム」 ウルズラ・ボツナンスキ、創元推理文庫)

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