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女たちの避難所 垣谷美雨

東日本大震災被災後の避難までの道のりとやっとたどり着いた避難所、仮設住宅での生活の実態を女性の視点から克明に描いた本書。絆とか連携といった美辞麗句がマスメディアによって強調される中、人々が何に苦しみ何に悩んだのか、その実態は衝撃的だ。特に、真っ先に配布された「仕切り」が「絆」という言葉の一人歩きで全く使われなかった避難所があったこと、義捐金や弔慰金が世帯主に渡された為におきた様々な不都合など、読んでいて胸が締め付けられるような気がした。裏表紙に「憤りで読む手が止まらない」と書かれているが、正しくその通りの内容だった。(「女たちの避難所」 垣谷美雨、新潮文庫)

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