goo

麦本三歩の好きなもの 住野よる

20代の図書館員の女性の日常を描いた著者の最新作。読み終えて、本作はこれまでの著者の作品とは少し趣が違う気がした。どう違うかは説明が難しいのだが、何かこれまでのような誰もが共感できるテーマの普遍性が後退し、読者を選ぶようなかなり私的な分野に足を踏み入れてしまっているような、しかも自分はその中に入れてもらっていないような感じがしてしまった。本作が、たまたま意図的にターゲットの読者層を定めた作品だったのか、今後著者の作品がこういう感じになっていくのか、次の作品はそれを見極めるものとなる気がする。(「麦本三歩の好きなもの」 住野よる、幻冬社)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )