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店長がバカすぎて 早見和真

今年度の本屋大賞ノミネート作品。書店に勤める女性契約社員の日常の苦労を綴る連作短編集で、書店という職場のブラックさがかなり浮き彫りになる。題名も書店で買いにくいほど挑発的だ。内容は、書店員が選ぶ本屋大賞などにも絡んだ内輪話そのもので、ノミネートされたこと自体が著者の思惑通りというところだろう。それについては、打算的すぎてイヤだと思う人も多い気がするが、自分自身は読んだ限りでそれほどイヤな感じはしなかったし、最後のどんでん返しも楽しく読めた。ただ、本屋さんの仕事の描写の毒が強すぎて、これを読んだら書店に勤めようという気が完全に失せてしまう感じで、帯に書いてあるような「本への愛」「書店員の矜持」などはあまり感じられなかった。(「店長がバカすぎて」 早見和真、角川春樹事務所)
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