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オンライン講義 宇宙論21

テーマは前回に引き続き「暗黒物質」。前回は、暗黒物質の「電磁波と相互作用しない原子からできていない物質」という定義を学んだが、今回は、宇宙の大規模構造が暗黒物質の存在、およびその運動エネルギーがかなり小さい(冷たい)という特徴によって成り立っているというお話。宇宙の大規模構造とは、①フィラメント(線)②ウォール(面)③ボイド(泡)からなる3〜30億光年規模の宇宙最大の構造物。宇宙の平均密度の1.6倍の密度になると天体ができるが、暗黒物質の重力によって密度の濃いところの密度がさらにが増幅されると今のような天体が出来上がる。宇宙の構造を作るのは重力があれば何の物質でも良いが、暗黒物質の方が普通の物質よりも多いので、結果的に暗黒物質が大規模構造を作っているという言い方になる。また、宇宙に銀河ができるためには3億年程度の時間が必要だが、運動エネルギーが大きすぎると短期間で蒸発してしまうが、銀河を取り巻くダークマターハローの運動エネルギーが適度に弱い(冷たい)ため、天体ができたり消えたりする時間があるのだという。暗黒物質という名前から分かっていないことが多い未知のものというイメージが先行しがちだが、実は電磁波との相互作用がないのから見えないだけでそれ以外の特徴などはもうかなりのことが分かっているということらしい。次回は「バリオン音響振動」について。
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