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見えない宇宙の正体 鈴木洋一郎

今宇宙論でホットな研究対象になっている「暗黒物質」について書かれた啓蒙書。最先端の研究対象なのでそれを理解するにはこれまでの宇宙論研究の流れや全体像を頭に入れておく必要があるということになり、本書でもかなりの部分がその謎に至るまでの経緯として述べられている。そのためか話の範囲が広くて読んでいてもなかなか頭に入っていかない感じに悩まされた。暗黒物質については、その存在を仮定するに至った銀河の回転問題、宇宙マイクロ波背景放射技術の進展との関係、いくつかの候補や仮説など、これまでオンライン講義で聞いた内容の確認ができたし、特に現時点での有力候補の話では講義では聞けなかった詳細を知ることができた。オンライン講義と啓蒙書の2本立てで知識を少しずつ確実なものにしていくという感じがつかめてきたように思った。(「見えない宇宙の正体」 鈴木洋一郎、ブルーバックス)
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