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今日も寄席に行きたくなって 南沢奈央

本の帯に書かれた通り、落語や寄席に魅了された女優が綴るエッセイ集。子どもの頃から落語が好きで自身も寄席の高座で落語を披露したことがあるということで、特に古典落語の造詣の深さにはびっくりする。落語の登場人物を演じることと、女優として登場人物を演じることの微妙な違い、観客の反応の違いなど、女優である彼女ならではの話も多く、読んでいて、落語家の苦労しているところ、どのような気持ちで聞けばより楽しめるかなど、色々教えられる内容だった。関心が古典落語中心で、各落語家による演じ方の違いに注目して同じ演目を何度も聴いたりするなど、自分の楽しみ方とは対極にあるが、それだけに落語の奥深さを垣間見た気がした。(「今日も寄席に行きたくなって」 南沢奈央、新潮社)
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