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切願 長岡弘樹

著者の自選ミステリー短編集。6つの短編が収められていて、そのうちの5編は既読だったが、途中で結末を思い出したり最後まで読んだ記憶がなかったり色々だったし、主人公も刑事、刑務官、医師、救急隊員等様々、話の中心となるキーワードも臓器移植に関する法律、併合罪、ガン探知犬等バラエティがあって、著者らしいミステリーを満喫した。著者の本はほとんど全部読んでいて、もっとびっくりするような傑作がいくつもあったと思うが、自選ということで、自信作という基準だけではなく、著者自身の思い入れとか、転機になった作品とか、版権の問題とか、読者の知らない要素があるようなところも面白かった。未読の1編はごく初期の書籍化されなかった作品だが、すでに著者の特徴が存分に発揮されている気がした。(「切願」 長岡弘樹、双葉文庫)
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