この國はグロバリゼーションにより、或いはゆとり教育によって、選別され、格差が顕在し、富が集中して、新たな特権階級が再び造られた。
がしかし、実は旧体制の特定の家系の者は、戦前・戦後を経ても、脈々と地下に流れている地下水のように、焼け跡闇市の地面の下にも流れていたのではないか。
辺見庸の「1★9★3★7」では、「安倍という人には、とうしょから人質を何とか策を講じてたすけようという意思がなかったように見うけられる。・・・日本の古層がおびていたどこか凄惨な血が流れているようだ」と評している。
これは、2015年の後藤健二さんを見殺しにした彼の態度から感じたのだと思う。私も、その時から彼を一般庶民感覚を持たない階層だと疑いはじめている。
彼にとっては、拉致問題も、彼が政治的な頂点に立つための単なる手段・方策でしかなかったような気がしている。今また、それを押し入れから出して、リユースしようとしている。
日本の一般の人間と感情や感覚を異とする人間を宰相にしてしまうこの国の不運を嘆くとともに将来の暗雲を感じている。