国連特別報告者デビット・ケイ氏の提言がマスコミ紙上から消えた。6月5日の官房長官記者会見では筋書通りに、最後の2問を、東京新聞の望月記者が必ず菅氏が嫌がる質問をすることになっている。
日本では「メディアの独立性に疑問が残る」というデビット・ケイ氏の提言を国連に報告するそうだが、政府の受け止めを質問した。菅氏は「政府は丁寧に説明したのに、政府の立場を十分に反映していないから、遺憾である」と答えている。
「丁寧」であれば、相手は納得するのか?記者の質問も漠としているし、答えも馬鹿馬鹿しい。
今日6日、メディアはほとんどこの事には触れていない。何故なら、D・ケイ氏の指摘は「記者クラブ制度の廃止」にも言及していた。大新聞は自らの膿は無視する。地方新聞も同様に無視した。
まさに、官房長官記者会見こそが記者クラブの温床ではないのか。事前に記者からの質問を記者クラブがまとめ、官邸がそれに、木で鼻を括る菅節の回答を造る。形だけの“政権の公開性”を示す茶番劇が無意味に毎日行われている。
一見厳しい質問も実は茶番劇を構成する一つの香辛料として官邸はおり込み済なのである。むろん望月記者もそれを納得している。それが証拠に、望月記者は「記者クラブの廃止の件」に一言も触れなかった。
日本のメディアは警察や官庁にある記者クラブで日常的にニュース記事を貰っている。ひどい場合はクラブの部屋の光熱水費も払っていないとか。おんぶにだっこである。そんなメディアに政治の、行政の、監視ができるのだろうか。
官邸とメディアは完全に連携している。昨日の官房長官記者会見でよく見えた。これが、この国のマスコミの程度であり、また、これは国とメディアの茶番劇をボケーと見てるわれわれ国民の程度でもある。