山口二郎氏は良識的で、紳士的で、喋り方は下手だが、書かせるとしっかりした意見を持っている学者というのが解かる。
今回は『民主主義をどうしますか』七つ森書館を読んだ。全般的に現代の政治状況が良く解かった。特に次の三点が興味深い。
- 自民党が60年代以降長期政権を樹立できたのは、岸を否定して、平和と繁栄を追求したからである。安倍はそのような自民党に復讐を果たした。 →アベという人間にそこまでの覚悟があったとは信じ難い。
- 団塊の世代が大学をめちゃくちゃにした。ある種の「反知性主義」はあそこから始まった。結局団塊の世代の政治家は単なる権力主義者でしかありません。 →耳の痛い意見だが確かにそうかもしれない。その典型が現首相なのか!
- 日本という国は抑々戦争ができない国である。国土は狭く人口が密集し、日本海側には原発を置いている。通常兵器攻撃は直ちに核戦争になる。
この三番目の視点が私の日常からは浮かんでこなかった。
この視点に立てば、集団的自衛権や敵基地攻撃能力を考える前に、先ず原発を廃止し徹底した外交努力を尽くすことが第一であろう。
アメリカの核の傘に入っても国土を守れないことになる。